今回は、VtuberやVライバーの方々がコラボ配信などでよく使っている機能を紹介しつつ、自分が、その機能を使う時にどういうふうに設定すれば良いのか、具体的な方法を書いていきます。
まずは、どんな配信画面になるのか、簡単な構成で具体例を動画にしました。
YoutuberやVtuberがコラボしているライブ配信を見たことがある人なら、同じ演出になっていることがわかると思います。
また、このような表現を実現する方法は1つではなく、Discodeを使ったり、本記事で紹介するのとは別のプラグインが利用されて配信されている場合もあります。
本記事で紹介するのは、OBS Studioの公式サイトから配布されているプラグインで、また、このプラグインを使用すればDiscodeを使用する以外の方法でコラボ配信用のマイク入力と画像などのアニメーションを組み合わせた演出が出来るようになります。
それでは早速導入に向けて紹介していきます。
話している音量に応じてアイコンなどを動かせるプラグイン
まずはOBS Studio公式サイトにあるWarmuptill氏が開発したAdvanced Scene Switcherというプラグインをダウンロードしてインストールします。
OBS StudioにAdvanced Scene Switcherがインストールされると、OBS Studioの「ツール」から下記画像のように高機能シーンスイッチャーという機能が追加されていることが確認できます。
これは、シーンスイッチャーと名称がついていますが、実際には、シーン内のソース1つから条件付きの表示・非常時切り替え、アニメーションの付加などが可能になっています。
具体的な設定方法の例
このAdvanced Scene Switcherは、出来ることがたくさんあります。
今回は、画像の切り替えとちょっとしたアニメーションエフェクトの追加をすることだけに絞って解説していきます。
どんな結果になるかについては、本記事冒頭の動画で確認いただいていると仮定して進めていきます。
今回、切り替えに使用する画像に入れていく具体的な機能は以下になります。
- 指定したマイク入力ラインに一定以上の音量が入ると「画像を表示する」
- 指定したマイク入力ラインに一定以下の音量になると「画像を非表示にする」
- 表示・非表示となる画像には適度なフェード機能を入れて、画像の切り替えがスムーズになるようにする
以上の3つになります。
このうち、(1)と(2)はAdvanced Scene Switcherで設定し、フェードの機能はOBS Studioの標準機能で付加していきます。
Advanced Scene Switcher
Advanced Scene Switcherで設定する前の準備
それでは、設定を進めていきます。
まず、準備として
- コラボ配信に使用するOBS Studioのシーンに名前を入れる(ちゃんとシーン名を入れることで設定がしやすくなります)
- マイク入力に応じて表示・非表示するための画像を1枚用意する(用意する画像は1種類で大丈夫です。)
- 1枚用意した画像を複製し、片方の名前はopen、もう片方にはcloseという名前をつける。
例えば、筆者の場合、「キャラクター名-open」と「「キャラクター名-close」というようにファイル名を変更しています。
また、利用する画像は「透明PNG」にして、綺麗にくり抜かれた画像を使うようにしましょう。
OBS Studioのソース登録でグループ化を活用する
今回のように、同じ画像を使ってアニメーション動作を入れる場合などは、登録する画像を「グループ化」で作成したフォルダの中に入れると、ソースのアイテムをフォルダベースでまとめて動かしたりできるようになります。
同じ画像などの位置や大きさを同時にまとめて変えられるようになるので、画像ソースの登録時に、すぐにグループ化することをおすすめします。
Advanced Scene Switcherで設定する方法
準備ができたら、あとはAdvanced Scene Switcherに画像のエフェクトや切り替え条件をつけていくだけになります。
Advanced Scene Switcherの「全般タブ」を開く
Advanced Scene Switcherの「全般タブ」を開きましょう。
設定枠内に「イベント条件を確認する頻度」というのがあるので、ここの値を「100ms」くらいにしておきます。
ここは、最終的に細かい調整が必要になるところですが、大半は、この仮の数字辺りで大丈夫だと考えています。
Advanced Scene Switcherのマクロで設定する
続いて、OBS Studioのシーンに設定されている画像にアニメーションをつける作業に入ります。
はじめに、今回のアニメーション仕様は
- 話していない時は少しくらい
- 話している時は少し明るくなる
という仕様で解説していきます。
まずは、「音声の入力があった時」の完成系のイメージです。
クリックでマクロの入力をしていく順番のイメージはこちらです。
上記の画像にある順序で、まずは条件分岐を設定するためのマクロが入力できるように、先に枠を作っていきます。
画像の順番でクリックしていけば、空の設定枠ができていきます。
設定しやすくするために、名前入力ができる項目はしっかりと変更して入力しておきましょう。
あとは、先ほど完成系のイメージで紹介した画像と同じ設定項目を選んでいってください。
「出力音量」のところは、マイクへの入力環境によって数字が変わる部分なので、声を入れながら調整していきましょう。
続いては、「音声の入力がなくなった時」の完成系のイメージです。
音声入力がなくなって、一定の音量ゲージまで下がった時に実行する命令を入れていきます。
マクロの命令が設定できた時の完成イメージが下記の画像になります。
「音声の入力があった時」の時と同じ流れで作っていくことが可能です。
注意する点としては、設定項目の中でも、条件分岐の「以上」と「以下」や、音量を指定する時は「dB」になっているかなど、設定項目を間違えないようにする点です。
ひとつでも間違っていると、うまく動作しなくなるので、まずは全く同じように設定してみましょう。
OBS Studioのマイク入力設定については、下記の記事でも紹介しています。
ここまで、諸々の設定がうまくいけば、下記のようにマイク入力があるとキャラクターの画像が明るくなって、何も喋っていない時は少し暗くなるようになります。
真ん中の猫キャラクター「にゃっこら」さんマイクに入力があったので、明るくなっています。
OBS Studioのソース画面でも画像の表示と非表示がリアルタイムで切り替わっていくので、マイク入力の音量調整とマクロでの音量調整をする時に役立ちます。
指定の画像にフェードインとフェードアウトを追加する
ここからは好みの部分になってきますが、筆者の場合、コラボ配信をする時、コラボ相手が画像だった場合、このような今回のようなマクロに加えて、フェードインとフェードアウトの設定をしています。
本記事冒頭の参考動画を確認していただくと、画像の切り替わりにフェードのアニメーションが追加されていることがわかります。
各画像に設定していく方法と内容
ソースエリアで該当する画像(今回の記事で言うとopenに該当する画像)のところで右クリックする
表示トランジッション→フェード→150ms に設定
非表示トランジッション→フェード→150ms に設定
これで、本記事冒頭のYouTube動画と同じように、ライブ配信などでコラボしたさいに、それぞれのマイク入力に対して画像をアニメーション連動させたりすることが可能になります。
使い方次第で色々なパーツを動かすことができる
本記事のやり方をさらに応用していくと下記のようなことができるようになります。
- マイク入力の音量に合わせて5段階くらいのアバターの口が動く差分画像を作ることによって「しゃべるアニメーション」を作る
- アバター画像(立ち絵)の髪の毛を動かしたり、アクセサリー画像にアニメーションをつける
- マスコットキャラクターなどがあれば、音声入力(配信者の声やサウンド)に合わせて、配信者のアバターとは別に、アニメーションをつけることができる
上記のアイデアはほんの一部で、他にもたくさんの表現が可能です。
このほか、Live2D公式マーケットのnizimaでアバターやアイテムを追加しても良いです。
また、自身でLive2Dを用いて、オリジナルのアバターやアイテムを作るのもスゴく楽しめます。
VTuber /Vライバー としてのデザイン性や活動、表現はせっかくやるのであれば、いろんなものを試してみることをオススメします。
その中で自分に合う活動の仕方を見つけていくのが良いと考えています。
例えば、本記事の内容では、立ち絵をアニメーションさせるのに、Webカメラを必要としません。
これだけでも、PCのスペックに大きく影響しますし、通常の3Dアバターを運用するのに比べて、設定項目もかなり減らすことができます。
ぜひ、色々なやり方を試してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。