昨今のゲーム機器は、4K60pクラスの描画処理ができるほどの機能を持っているため、内蔵されている部品も相応なスペックになっています。
現在、世界中で5,000万台以上販売されている*1PS5は、PS5 デジタル・エディションという光ディスクドライブがない対応も発売されたため、駆動する部分が少なくなった分、「PS5はうるさくなくなった」印象があります。
しかし、デジタル・エディションになかなか購入ができない状況もあるのか、それとも、その機種が選ばれていないのか、ファミ通公式Webサイトで定期的に公開されているハードウェア販売数を見るかぎり*2実際には、まだ光ディスクドライブがついているPS5を利用している人が多いというのが現状です。
目次
PS5の音がうるさい場合の対処方法
PS5の音がうるさい場所や場面は後述するとして、実際に筆者が行なっている対処方法を紹介します。
- PS5を置く場所
- 光ディスクドライブが付いているPS5について
- HDDが搭載されたPS5の場合
PS5を置く場所
PS5には、本体の熱を下げるために冷却ファンが組み込まれており、これらが高速回転をすると幅広い音域で大きな音が発生します。
したがって、これらの冷却ファンに負担をかけないように、PS5の本体は暖かい空気が溜まりにくい低い位置に置き、また通気性も良い場所に置いています。
筆者の事務所では、PC本体やゲーム機器を直に床に置くのではなく、少しだけ床から浮いたラックのついているデスクや、移動しやすい単体のラックを使っています。
ラックが映っていない写真になってしまって恐縮ですが、ケーブル類をもっとちゃんと整理したら撮り直します…。
熱がこもりにくい環境にPS5本体を置くように意識すると、軽減されます。
光ディスクドライブが付いているPS5について
ディスクドライブが付いている機種の場合、そのスピンドルモーターによって、ディスクからデータを読み取るために、ディスクドライブ内では、等倍(1倍速)でも1,000回転/分を超える高速回転を機器内で行っています。
ディスクドライブには、回転している時に、縦振動、横振動を抑えてデータを読み取る多くの技術が組み込まれているのですが、それでも高速回転する時にはかなりの音が出て、振動も大きなものになります。
なので、そのために、本体の下に防振ゴムTHI-555を使っています。
かなりの種類にわたって、多くの防振ゴムを試してきましたが、防振ゴムTHI-555は多くの状況で安定の防振結果を出してくれます。
サイドラックと同じ黒色で見えにくかったので、撮影用に、ちょっと場所を移動しました。
振動を抑えることで、結果的に聞こえてくる音は小さくなります。
実際に計測したデータは下記になります。
誰でも効果を確認できるように、無料で利用できる計測アプリを使っています。*3
-15dBから-20dBくらい、全体的に下がっています。
体感的に、低音域は音がかなり小さくなりました。
高音域にあたる4kHz帯より上の部分も、グラフ的にはだいぶ下がっているように見えますが、グラフの画像はその瞬間だけの計測なので、実際のリアルに計測している動的なグラフでは上下にぶれています。
まだ若干「シューッ」とした高い音が、聞こえます。
また、「底面に防振ゴムで不安定にならないか?」とよく言われますが、実際に使用するとわかるのですが、ラックの中に置いているのもありますし、意外としっかり安定しています。
高音域の防音対策には、『発泡スチロールの防音効果は?使い方を分かりやすく解説』で紹介している構造(スチレンボード、遮音シート、吸音マット)の手作り防音パネルを。なるべく吸排気優先で、PS5を置いたラック部分の横面や正面部分の上半分などに加工して貼り付けたりもしていました。
HDDが搭載されたPS5の場合
HDDも、その中身は光ディスクを入れたディスクドライブが高速回転しているのと同じ状態です。
先ほど紹介した防振ゴムを設置すれば、合わせていくらか軽減されると思いますが、こちらについては、Type-C 外付けSSD(SanDisk)などで、常にHDDの空き容量を多く保つようにしていました。
とはいえ、この辺りの物理的な構造で発生する音については、部品自体を変えないと解決しないと考えていて、おもいきって今は、SSD搭載のPS5に買い替えています。
PS5の音がうるさくなる部品や場面とは?
PS5から発生する大きな音、うるさく感じる音の場所と場面は、主に3パターンあります。
- PS5を置いている場所
- 光ディスクやHDDなどの高速回転する部品
- 冷却用ファン
先に解決方法で紹介したように、PS5には1分間に何千回転もするような高速回転する部品が組み込まれていたり、PS5が熱くなって故障しないように冷却ファンなど、うるさい音が発生しやすくなる部品が利用されています。
また、この辺りは置き場所だけでもかなり改善できます。
吸排気が機能しやすいような場所に設置し、定期的に埃などは取り除いてあげる。
そして、配置した底面には防振ゴムを設置する。
これだけでも、かなりの改善が行えます。
筆者の場合、ゲームの実況配信をしているメンバーが数人いるので、思い切って買い替えるなどしていて、おそらく、PS5の光ディスクドライブが無いデジタル・エディションにも切り替えていく予定ですが、決して安い買い物では無いので、応急処置的な防音対策ばかりしながら何とかやっているのが現状です。
それでも、何もしないよりかは、かなり快適になります。
自分向けにだけではなくて、特に、ゲーム実況などで多数の人に向けてライブ配信を始める時、このあたりの防振対策とハードウェアかソフトウェアのどちらでも良いので、イコライザーでローカット(声に合わせて100kHz前後をカット)すると、品質の高い音質でゲーム実況コンテンツを提供することも可能になります。
PS5に光学ドライブが内蔵されている機種の場合
本記事の冒頭でも紹介したように、現在、PS5には光学ドライブが内蔵している機種と、されていない機種の2つがあります。
光学ドライブは光ディスクを高速回転させる時にスピンドルモーターからすごく大きな音が発生します。
最近は、ゲーム等をするときにパッケージ版ではなくて、ダウンロード版で遊ぶ人もいます。
通常、ダウンロード版のソフトで遊んでいるときは、光学ドライブにゲームディスクを入れておく必要はありません。
ダウンロード版のゲームをしていても、違うゲームの光ディスクを入れっぱなしにしていると定期的に回転が始まって、音が鳴ります。
なので、パッケージ版でゲームをしないときは、光ディスクは取り出しておきましょう。
PS5の故障音である可能性もあるから注意が必要
「この音の場合は故障の音」というのを断定するのが難しいですが、明らかにずっと異音がしている場合は故障の可能性もあります。
その場合は、PlayStationのオンライン修理受付サービスに連絡して修理することも検討しましょう。
PS5の防音や騒音対策に関する脚注や出典および参考情報の一覧
- PS5が世界累計実売台数5,000万台を達成|ソニー・インタラクティブエンタテインメント公式サイト
※「PS5」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。 ↩︎ - ファミ通公式Webサイト内では、ソフト ハード週間販売数という記事が定期的に公開されています。 ↩︎
- 無料の計測ツールを紹介しているブログ記事「発泡スチロールの防音効果は?使い方を分かりやすく解説」ユニコブログ®︎ ↩︎