日常の生活でも課題を抱えやすい騒音に関すること。
加えて、さらに情報発信をするためのライブ配信や動画配信、ライブ配信をしようと考えた時には防音や騒音対策は必須になる課題です。
その中でも発泡スチロールという素材で防音・騒音対策を検討する方もいます。
結論から申し上げますと、発泡スチロールではほとんど防音効果は得られません。
素材自体の特性や素材の厚み、また素材を作るための細かい材料などによって、軽減できる音の大きさや周波数帯に違いはありますが、よく比較される
- エアパッキン(三層)発泡スチロール
- 発泡スチロール
- ダンボール
- 木(板材)
- ゴム
これら上記の素材を箱状にして計測すると、軽減できたとしても-1dB*1から-4dbくらいにしかなりません。
発泡スチロールは防音や騒音対策に使えないということ?
発泡スチロール自体に大きな防音効果*2はないのですが、防音パネルを制作するときの基材としては優秀な素材です。
- 軽い
- 加工しやすい
- 貼り付けやすい
発泡スチロールは、とくに防音パネルを自作する場合などに基材(支えの軸になる部材)としてスゴく役に立つ素材となります。
重ねた構造を横から見ると下記の画像のような感じになります。
本当は、機材になるスチレンボード(発泡スチロール)は10mmほど欲しいところですが、手持ちの余がなかったので7mmになっています。
利用している材料は以下の3種類です。
- スチレンボード A1 7mm厚
箱状にする時には合わせて5~6枚必要です。 - ゼオン化成 軟質遮音シート サンダムCZ-12 幅940mm (3m巻)
- タンスのゲン 吸音材 日本製 【復元不要!完成品】 50×50 厚み5.0 5枚セット
真ん中には遮音シートを入れて留めています。
基材がスチレンボードなので、小さいタイプのタッカー、または、タッキングのできる大きなホチキスがあると簡単に留めていけます。
吸音マットも、凹の部分をタッカーで留めたりもできますが、吸音マットは軽いので、剥がせる両面テープでも大丈夫です。
特に、初めての場所でライブ配信をする時には、最初に囲む箱の大きさを決めて、スチレンボード(発泡スチロール)箱の大きさを先に決めてから、その大きさに合わせて加工していきながら貼り付けていきます。
発泡スチロールで作成した防音ボックス
発泡スチロールで作成した防音ボックスを作成すると、下記のような画像イメージなります。
材料が足りなくて、機器も雑多に置いてしまっていて恐縮ですが、実際には底面に最低でもスチレンボード(発泡スチロール)と遮音シートを使用します。
また、背中にも防音マットがかかるように垂れ壁面も作成します。
スマホアプリによっては、配信用のミキサーなどを使って少し本格的に配信する場合には、明るさも必要になるので、簡易的なライトもボックス内に入れておきます。
ボックスの外になる壁や窓にも防音対策をしたい場合
今回使用している素材は、壁面や窓にも貼り付けが可能です。
ただし、例えば、窓に関しては完全に塞いでしまうと問題があるので、3層エアパッキンで上面を留めて、そこに遮音シートや吸音マットを両面テープで貼り付けるなどして、いつでも窓を開けられる状態にしておくことが重要です。
3層という部分が重要です。
2層だと、汚れやカビなどがパッキン間に溜まってしまうようになるので、3層エアパッキンであることが重要です。
発泡スチロールを基材にしたとき防音効果は?
防音効果を定量的に実証するには、ちゃんとした計測機器が必要ですが、計測機器は結構高いものが多いです。
今は、スマホのアプリでも多機能計測機器があります。
無料で利用できる有名なものでは
Sonic Tools SVM|Rikki Systems Inc.
があり、Androidoでは
サウンドスペクトルアナライザ| PC Mehanik
ご利用のOSに応じて選択してください。
があります。
例えば、配信ブースに防音ボックスを作った場合は下記の画像のように
-10dBほどの軽減効果が出ています。
おそらく、もっと隙間ができないように丁寧に綺麗に作ったり、配信者の背面にくる垂れ壁構造によっては、もっと低減効果が出るかもしれません。
隣の部屋から測定
隣の部屋から、配信中の音を計測しました。
壁の作りとしては、3寸幅の空洞構造で、中にグラスウールなどが入っていない状態でした…。
それでも下記の画像のような感じです。
基本的に、物がほとんど置いていないので反響もしやすい状況の6畳部屋です。
思い切り叫びでもしない限りは、気にならない音漏れです。
なので、効果としては十分と考えます。
発泡スチロールは防音加工の基材として役に立つ
発泡スチロールそのものは、効果的な防音効果があるとは言えない状況ですが、防音加工をするための手作り基材としてはスゴく便利な素材です。
防音・騒音対策用に部屋を工事したりすると、施工費がすごく高くなってしまいますが、まずは、簡易的な手作り防音ボックスなどでお金をかけずに防音しながら、コンテンツを積み上げながら、収益化ができた時に、本格的な防音工事などを考える進め方で良いと考えています。
本記事がお役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。