DCPネームという、この長いファイル名は何だろう?
と、感じている方は多いはず。
DCPに付けられるファイル名などは、作品に関わる全ての人に該当コンテンツがどのような仕様で作成されているものなのか、分かりやすくするようにするために「デジタルシネマの名前付け規則」に準じて作成されています。
この、DCPネームは特に、コンテンツの中身が中々確認できない劇場などで、上映される作品のスペックを、予めDCPネームで把握して効率よく上映準備をするためにも必要な名前規則です。
中小規模のポストプロダクションにDCPマスタリングをお願いしている場合、「DCPネームを全て決めてくれ!」と言われるようなこともあります。
そのような場合、本記事を読んでいただければ最小限必要な情報や意味が把握できると考えています。
DCPネームは、使用するソフトによって、入力項目のカスタマイズが可能なものもあるため、今回の記事では、OpenDCPを使用したDCPネーム入力で解説をしていきます。
デジタルシネマパッケージのDCPネームを解説
下の写真は、OpenDCPでDCPネームを表示したときの画面です。
デジタルシネマパッケージのDCPネームのことを手軽に勉強するなら、無料で利用が出来るOpenDCPを使用する事をオススメします。
また、もし本記事を読まれている方が映像メーカーの進行担当者の方の場合ですが、DCPネームはHDD/USBに格納されるデジタルデータと一致していないと困ることになるので、是非、どんな内容を設定すれば良いのか覚えておきましょう。
タイトル
先頭には作品名を入力します。
このときの作品名の文字数は14文字以内にするようにしましょう。
作品タイプ
本編であったり、予告編であったり、様々な作品のタイプを選択ができます。
バージョンナンバーなどをつけたりすることもできます。
作品データのタイプ
2Dなのか3D(立体視)上映なのかなどの情報を選択します。
フレームレート
作品のフレームレートを選択します。通常は24Pですが、30Pのコンテンツもあるでしょう。
また、立体視上映などになると、48Pや96Pなどもあります。
コンテンツのアスペクトレシオ
- HDTV (1920 × 1080 or 3840 × 2160)
- Flat (1998 × 1080 or 3996 × 2160)
- Scope (2048 × 858 or 4096 × 1716)
- Full (2048 × 1080 or 4096 × 2160)
などが選択可能です。
オーディオの言語
コンテンツ本編の使用言語です。
イメージとしては、本編中で喋っている言語を指します。
字幕
表示される字幕の言語を選択します。
作品の上映場所
どこで上映されるものかを選択できます。
コンテンツのレーティング
映画上映の際にその映画を見ることができる年齢制限の枠を設定します。
オーディオのチャンネル数
作品で使用されているオーディオのチャンネル数を指定します。
解像度
2K作品か4K作品かを指定します。
制作スタジオ名
買い付けの場合は、ここに買い付け先の情報などを入力しておくことも重要です。
DCPマスタリングスタジオ名
マスタリングやパッケージをしたスタジオ会社名を選択できます。
実は、マスタリングソフト側で予めリストから選ぶこともできるのですが、最近はDCPマスタリングサービスを行っているところが多いため、マニュアルで入力されています。
日付
日付入力をいつにするのかも選択可能です。
DCPのタイプ
DCPにはIntelopとSMPTEがあります。
今でもIntelopで運用されているところを見かけますが、詳細は別の記事でまた書きますが、日本以外はもうSMPTE形式で運用が進んでいます。
パッケージタイプ
ここではオリジナルのバージョンなのか、違うバージョンパッケージなのかを選ぶことができます。
デジタルシネマの名前付け規則を覚える
DCPの制作進行は大変な業務ですが、日本語資料での情報不足を少しでも補えればと考え、今後も筆者の経験に基づいたDCP関連情報をアップしていきます。
今回も、本記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。