A・H・マズロー(アブラハム・ハロルド・マズロー )と言えば、「欲求五段階説」で有名な心理学者として知られていますが、実際には経営学に対して心理学的なアプローチも加わって実学としてもスゴく役に立つ書籍を残しています。
目次
アブラハム・ハロルド・マズロー 完全なる経営
この書籍の概要をまとめてみました。
書籍の概要
タイトル
完全なる経営
著者
A・H マズロー (著)
金井壽宏 (監訳)
大川修二(訳)
電子書籍の有無
有
出版社
日本経済新聞社
発売日
2001/11/30
著者について
著者のA・H マズロー氏は心理学者としても知られていますが、この「完全なる経営」が出ていることからも分かるようにマネジメント、経営学についてもアプローチしています。
よく知られているのは「自己実現の欲求」ですね。
AMAZONでビジネスに関する自己実現に関する書籍を検索すれば、1,000件以上も出てくる子の分野ですが、1番よく知られている「欲求5段階説」に対する本当の捉え方とは何なのか?
ということを、A・H マズロー氏が書いている著書です。
A・H・マズロー 完全なる経営を読んでみた感想
A・H マズローは書籍の中で「自己実現」について
なぜなら、自己実現をもたらす仕事に取り組む場合、仕事の大義名分は自己の一部として取り込まれており、もはや世界と自己との区別は存在しなくなるからである。
引用 : A・H・マズロー 完全なる経営 より
と語っている部分があります。
筆者の会社員時代を文章で一言でまとめると、まさにその連続を生きていたかもしれないです。
事業立ち上げの3つのステップ
事業には、ざっくりと分けると3つの成長プロセスがあります。
それぞれ、そのプロセスが得意な人は違います。
経験上、0⇒1から全てを担える万能型のタイプは、事業規模が大きくなればなるほど少な胃という印象です。
筆者は事業の立ち上げについては、0⇒1以降は常にその時々の代表と調整しながら権限委譲を行い、事業運営責任者を以下のように分類して次の事業の成長プロセスに対応させていました。
- 0⇒1で事業アイデアを実行可能な設計図まで落とし込むまでの責任者
- 1⇒Xで、事業を具体的に運用可能な組織体として安定させる事業責任者
- 立ち上がった事業を長期安定させることが可能かの検討も含め、事業の行く末を決める責任者
事業のサポートを行っていく
筆者の場合、0⇒1を行い、1⇒X移行についてはサポートを行いつつ、実際の事業運営責任者が感じている機会や課題の抽出を行ったりすることが多かったです。
本書で取り上げた先ほどの引用は、まさにそれを芯で付いているなと感じる文章でした。
欲求五段階説の本当の考え方を知ることが出来る
何と言っても1番はココだと思います。
マズローの有名な欲求五段階説は、捉え方によって自己実現が義務化されたような言い方をされていたり、それが当たり前だといえるような文献をよく見かけます。
本書では、マズロー自身がその考え方について説いてくれています。
具体的にそれがどういうことかについては、是非本書を読んで欲しいと思います。
とても素敵な発見が多く見つかります。
A・H・マズロー 完全なる経営は、こんな人におすすめ
本書はこんな人に強くお薦めします。
- 欲求五段階説を正しく知ることが出来る
- 仕事を任せる機会が多いマネジャークラスの方
- 多くの書籍の元になった理論の根源を調べたい人
突き詰めれば生きると言うことは何か?ついてスッキリと考えられるようになる1冊
A・H・マズロー(アブラハム・ハロルド・マズロー )の、この「完全なる経営」は、経営学書と言うよりも、哲学書に近い学びも得られます。
それは、生き方であったり、仕事への取り組み方であったり、遊び方であったりです。
すごく堅い本に見えますがそんなことはありません。
とても、「人間とは?」について、A・H・マズロー個人としての深い考え方を知ることが出来ます。
また、「欲求5段階説」についても、よく書かれている文章とは別に
「実際本人は自己実現についてはこう言っているよ??」
といえる感じも得ることが出来ます。
A・H・マズローを知らないビジネス業界の方はあまりいないと思うので、場の立ち位置や雰囲気を変えたいときなどにも使えるトピックスがたくさん詰め込まれた本書はオススメの1冊と言えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。