DCP(デジタルシネマパッケージ)のUSBは何を選べばいい?【CRUを使わなくても大丈夫です】

デジタルシネマパッケージで使用するUSBのイメージ

デジタルシネマパッケージの制作業務に関わっていると、制作過程で劇場への納品用ハードディスクや、劇場間の横持ち用ハードディスクはどれにすれば良いのか迷うことがあると思います。

デジタルシネマパッケージに関する情報は、どの工程においても情報が少ない中で選定していかなければならない時があるので、調べるのは中々に苦労する作業になります。

現在販売されているUSBメモリは、DCPの容量が十分に入るデータ格納容量を確保しています。

また、筆者の場合ですが、経験的にDCPの格納にはSanDisk製のUSBメモリがオススメです。

参考商品:【 サンディスク 正規品 】無期限メーカー保証 USBメモリ 256GB USB3.2 SanDisk Extreme PRO SDCZ880-256G-J46

USBでDCPデータを納品するやり方は、DCP事業を立ち上げた直後から行っていました。

事業の立ち上げ当時は、まだ256GBのUSBが無かったので、本編を圧縮して100GB未満かどうか確認してから提案していたのを覚えています。

この記事をリライトしている2021年03月時点では、サンディスク正規品の256GBでさえ数千円になりました。

フラッシュメモリなので耐久性も高く、物理的な衝撃も考えた輸送手段が楽になって素敵です。

DCPはUSBでも運用が可能です

DCPはUSBでも運用が可能です

どんなUSBを選べばトラブルなく運用できるかということがあるので、実際に使用して運用してきた経験を基に本記事で紹介していきます。

選定のポイント
  1. 認識、読み書きエラーの少なさ(USBコントローラー)
  2. 転送速度
  3. 形状

価格も考えておきたいところではありますが、DCPの本編データはとても大切なデータですので、安全に運用できるUSBを選定しています。

予告編で使用するUSBは価格重視でいろんな物を使用してきましたので、価格も考えてご紹介します。

DCP本編データの運用はサンディスク一択

DCP本編データの運用はサンディスク一択

当たり前すぎですが、本当にいろいろ大容量USBを試してきて、サンディスクだけは本当にハード要因のエラーが少ないのです。

選定のポイントで、認識、読み書きエラーの少なさを挙げています。

USBコントローラーによってはハッシュ値が変わるトラブルも起きる

あるメーカーの物は非常に考えにくいのですが、大容量データを移動した時にハッシュ値が変わってしまう(詳細はまた別途)物がありました。

DCPには、マスタリング時にPKLというファイルにハッシュ値を記録しており、1bitでも変わると、インジェスト時にエラーとなります。

転送速度は納期の事もあるので結構重要です

続いて転送速度ですが、こちらもSanDisk Extreme Proについては細かく述べる必要はないほど、高速で安定的なデータ移動が可能でした。

USBケースや梱包方法に工夫を重ねる

また、形状についてですがこれはUSB単体ですと、その小ささから「紛失」の危険を抱えることになります。

そのため、USBでの運用はUSBを格納するケースに加工をして、1mm~2mmほどのカットワイヤー(金属ワイヤー)でケースとUSBで繋ぐことをお薦めします。

そのために、ワイヤーを繋ぐためのストラップホルダー作ったりもしていました。

そんな中、最近はUSBケースも丈夫なモノが増えてきています。

高反発クッションを加工して自作で作るDCP用のUSBケースでも良いですし、下記の様なUSBケース商品もあります。

参考商品:12スロットポータブルSDカードホルダーケース、iDsonixメモリーカードケース、プロテクターケース、6SDカード用収納ボックス/4TFマイクロSDカード/1CFカード/1カードリーダー

若干スペースが余ってしまいますが、細いカットワイヤーであれば、USBとケースを繋げる加工も容易に行えるのでお薦めです。

本編DCP用サンディスクのUSB

本編DCP用サンディスクのUSB

本編DCPデータ向けのUSB情報を記載します。

DCPの本編データ運用は256GBのUSBで十分

DCPは1本の最大データ容量が250GBまでになります。

劇場へ納品する際には、Linuxフォーマットに変換してからマスターデータの格納をしてください。

Linuxフォーマット後のアクセス権限に注意して納品をしてください。

参考商品:【 サンディスク 正規品 】無期限メーカー保証 USBメモリ 256GB USB3.2 SanDisk Extreme PRO SDCZ880-256G-J46

128GBのUSBも選択肢のひとつ

映画一本の最大データ容量は250GBまでになりますが、内容や尺、ビットレートによってはファイルサイズが数十GBにまで圧縮されます。

バージョンファイルも含めて128GBに収まることも多いので、その場合には128GBのUSBで運用することも可能です。

128GBのUSB、当時はとても高かったのですが、もう千円台のレベルにまでなっています。

こちらも、劇場に納品する際にはLinuxフォーマットで納品しましょう。

参考商品:【 サンディスク 正規品 】無期限メーカー保証 USBメモリ 128GB USB3.2 SanDisk Extreme PRO SDCZ880-128G-J46

予告編DCP向けのUSB

予告編やショートフィルム映画の場合、予告編のDCP容量は1~2GB程度なので、1,000円台で仕入れられる64GBでも充分ですね。

ショートフィルムも、尺によって10GB~30GB程度の容量になります。

最近は SANDISKのAMAZONストアでは64GB版が消えてしまったので、64GB未満での運用は、128GB版で代用です。

またmDCPは通常「CRU」形式で納品をする物でしたが、現在では、さまざまなメーカーの外付けHDDなどを含めて様々なメディアで納品されています。

HDDの選定についても、運用経験から得た情報を書きました。

デジタルシネマパッケージで使用するHDDのイメージ

また、最近ではクラウドシステムで納品する方法が指定されることもあり、データ納品方法はより多種様になっています。

基本的に、DCPを映画館に納品する時は、映画館ごとに納品に関する約束事があったりするので、手間はかかりますが、都度、納品方法については最新情報を確認して進めることをオススメします。

デジタルシネマパッケージの情報まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ユニコブログの執筆者である小林玲王奈のアイコン
小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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