元々デジタルシネマパッケージのデータ納品は、「CRU」という3.5インチのハードディスクを格納するケースと、CRUに格納したハードディスクを厳重に保管するケースで運用されていました。
(DCP Kitという用語で検索すると出てきます。)
しかし、これらは非常に効果で手軽に購入できるものではなく、どのように低価格で安全にサービスを提供できるか、会社員時代にデジタルシネマパッケージ事業を立ち上げた時に苦労しました。
以前の記事でUSBによるデータ納品をお薦めしましたが、HDDで納品が必要という場合にお役立てください。
運用実績でトラブルがないのはI-Oデータ製のHDD
結論からいくと、ハード的にトラブルが全然なかったのはI/Oデータ製の外付けHDDでした
一般品はすぐに生産中止になってしまう
トラブル防止のために、型番を変更する度に検証と行うのですが、HDDの一般販売品はすぐに生産中止や軽微な変更により、再度検証する必要が出てきてしまいます。
選定の判断基準は?
一般品での運用については、以下の点を考慮します。
- 電源はACアダプターであること
- ハードセキュリティー機能がない物
- Wifi対応機能など、余計な機能がない物
になります。また、2.5Inchの電源がUSB供給のものはトラブルが多いので使用しない方がいいです。
慣れてきたら、部材を分けてみる
HDDでの運用に慣れてきたら、HDDとHDDケースを分けて運用することも検討に入れます。
ケースのない内蔵ドライブ型の3.5inchHDDは、一般品に比べて製品切り替えサイクルが長いです。
内蔵ドライブHDDの選定基準は?
内蔵型HDDの選定には以下の点を考慮します。
- なるべく1枚プラッタの物にする
- 回転数は低い物にする
- なるべくグレードの高い製品にする
になります。となると結構限定的にはなりますね。
ケースはACアダプタの評価を検索しておこう
検証であった事例として出てきたのがACアダプタの不具合でした。
中には、安定して電源を供給できていない物があったり、環境によっては電気が逆流しているのでは?という状況が発生した製品もあります。
選定したケースにそのような事例がなかったか調べておく必要があります。
ケースなしの状態で直付けはやめた方がいい
たまに、予算の都合でお客様から極力お金をかけないようにDCPを作った中で、3.5inchのハードディスクインターフェイス(SATA)にケーブルのみで直付けする事例がいくつかありましたが、総じて何らかの接続要因によるトラブルが起きていましたので直付けはやめましょう
USBとHDDどっちにすればいいの?
現在は、256GB相当のUSBでも、1〜2TBのHDDより値段が安くなりましたので、私の経験として納品はUSBで行うことをお薦めします。
まだ劇場や配給メーカーでは、紛失リスクを恐れて否定的な意見もありますが、梱包するケースを大きめの物にして何からの形で繋いでおけばその心配はありません。
是非、これを機会に検討してみてください。
USBでの運用方法についてはこちらの記事で説明しています。
HDDの参考情報
DCPマスタリングしたデータは250GBの容量があれば十分に足りるのですが、現在では製品の容量自体が1TBスタートだったりします。
容量過多になりますが、HDDに関しての参考商品情報を載せておきます。
参考リンク| アイ・オー・データ機器 USB3.0/2.0対応 外付ハードディスク 1TB ブラック HDCZ-UT1K
購入したHDDは、自分でLinuxフォーマットに変換する必要がありますのでご注意ください。
複数劇場に回していくならSSDも視野に入れる
HDDは、その物理的な構造から配送で移動を重ねると不具合が起きる可能性が高くなります。
HDDの物理的な障害でよくトラブルが起きる場合は、HDDでの運用ではなく、USBやSSDに媒体を変更して運用することを検討しましょう。
DCP(デジタルシネマパッケージ)の情報まとめ
DCP関連の内容をまとめた記事を作成しました。
こちらの記事を読んでいただければ、デジタルシネマパッケージに関する様々な情報が確認できます。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
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