アスペクト比について初心者向けに分かりやすく解説【動画制作向け】

動画のアスペクト比を解説する人

最近は、HDや4Kレベルの高解像度動画でもスマホなどで手軽に編集して完パケさせることが出来る様になったこともあり、自分で撮影したコンテンツを発信する人達がとても増えてきました。

それでも、コンテンツ制作をする時に困るのが、撮影から編集をしてアップロードするまでの過程で唐突に表示される、映像制作関連の英語やカタカナで記された設定項目専門用語です。

最近では、ある程度はデフォルトの設定でもそれなりに映像の出力ができて、アップロードまで可能になっていますが、これらの作業で「アスペクト比」についての知識があると、アップロード先の動画配信プラットフォームに適した動画コンテンツを提供することが可能になります。

今回の記事では、映像制作を始めると出てくる様々な動画のアスペクトに関する基本的なパターンについて書いていきます。

この記事の内容
  1. 動画の解像度とアスペクト比
  2. 代表的なアスペクト比率の紹介
  3. これからのアスペクト比

動画の解像度とアスペクト比率の違い

動画の解像度とアスペクト比率の違い

よく、SDは横720ピクセルx縦480ピクセル、HDは横1920ピクセルx1080ピクセル、4Kは横3840ピクセルx縦2160などの表記がありますが、これは、必ずしも動画コンテンツ自体の再生アスペクト比率とは限りません。

解像度は簡単に言うと、映像が表示されるディスプレイの画素の密度を表す物で、便宜的に解像度とアスペクト比が併記されています。「HD 1920×1080 16:9フルサイズ」などがそうです。

そのディスプレイの中で再生される映像コンテンツは、これまで様々なアスペクト比率で表現されてきました。

代表的なアスペクト比

代表的なアスペクト比

今回は、いくつかの代表的なアスペクト比率を記載していきます。

16:9 Wide(ワイド)

ワイド比率のアスペクト比

今、地上波デジタルで最も多いのが、この比率で作成された動画コンテンツではないでしょうか。

一般的なテレビにぴったりと表示され、放送されています。

2.35:1 (スコープサイズ)

スコープサイズのアスペクト比

特に、劇場上映される映画コンテンツで多く利用されているのが、このスコープサイズと言うアスペクト比率です。

最近では、一部のドラマやコマーシャル(CM)でも使用されることが多くなってきました。

個人的にはこれが一番好きなアスペクトでコンテンツ制作の時にはこれを選んでいきたいです。

理由は、Youtubeなどの再生プレイヤー下部のコントロールバーや上部のタイトル文字が映像にオーバーレイされるのも好きなのですが、黒いレターボックスに乗っかる中に浮かび上がる感じも好きだからです。 

参考動画:テストパターン映像(Youtube) ※1Khz音が流れるので注意してください。(キーンとする高い音です。)

1:1 (スクエア)

スクウェアサイズのアスペクト比

スマホが普及して増えてきた比率です。

Instagramの普及や、スマホ用の業が広告、またスマホ向けに暮らし動画メディア発信企業が採用したことで、この比率が一気に普及しました。

テレビで再生すると違和感がありますが、スマホで再生するとなぜかハマる比率です。

4:3 スタンダード

スタンダートサイズのアスペクト比

「かつてのスタンダード」という言い方がふさわしいかもしれないこのアスペクト比。

今でもDVDメディアなどで使用されているアスペクト比ですが、今ではこの比率をスタートに動画を制作される物はなくなったのではないでしょうか。

10年以上前になりますが、かつてはこのサイズが当たり前の比率でした。

これを読まれている方も年代によっては4:3のテレビで何かを試聴したこと自体がない方もいらっしゃるかもしれません。

たくさんの種類があるアスペクト比

まだまだたくさんあるアスペクト比

今回の記事では、動画コンテンツで主に扱われる4つのアスペクト比を紹介しました。

映像コンテンツのアスペクト比は、これ以外にもたくさんの種類があります。

アメリカンビスタ、IAMX、シネマフルサイズなど、様々なアスペクト比率があります。

その中で、アスペクト比の収拾がつかないものや、アスペクト比が関係ないものもあります。

スマホの有効解像度とアスペクト比の最適期な組み合わせは収拾がつかない

現在、スマホの解像度と画面のアスペクト比をまとめると、何十種類にもなり、スマホの画面に対するフルサイズ表示を考えての画作りはもう考える必要がない状態になっています。

また、再生される動画は、アプリなどのリッチコンテンツの中に組み込まれているので、これからDVDやBluーrayのようにメニューや特典情報などが同時に体験可能な時代に入っています。

現在、スマホ向けは

  1. YouTubeの16:9
  2. TikTokなどの9:16(縦撮り動画)
  3. Instagramの1:1(現在は1.91:1~4:5の範囲まで対応)

でのコンテンツが多いので、これらの解像度に合わせたコンテンツ作りで企画していくと面白いかもしれません。

アスペクト比がないAR /VR

アスペクト比がないAR /VR

AR/VRは、空間そのものが投影範囲になるのでアスペクト比が関係ないコンテンツ作りが可能です。

ビジネスやゲーム系でのコンテンツ制作が進んでいますが、AR/VRがコンテンツ制作で工夫をすれば、映像コンテンツで大きく売上を上がられる可能性を秘めている市場です。

VR(仮想現実 /virtual reality)

例えばVRで言えば、定番のハードウェアとしては

  1. Meta Quest(旧 OCULUS)
  2. HTC VIVE

などがありますね。

AR(拡張現実 /augmented reality)

ARについても、もの凄い数のデバイスやアプリがあるのですが、今後、ARはスマートグラスとして、めがねを付ける人だけに限らず、全ての人がスマートグラスをかける時代にもなっていきます。

AR(拡張現実)と MR(複合現実)は、技術的には全く違うものなのですが、ユーザーが体験する一見の見た目としては似ているところもあるので、没入感のあるAR/MRが体験できる機器として2つほど紹介します。

  1. Microsoft HoloLens
  2. Apple Vision Pro

360度撮影

映像コンテンツ制作にスポットを当てれば、360度撮影が大きなビジネスチャンスを秘めています。

撮影機器についても、手軽に360度撮影が出来る性能の高い機器がどんどん増えています。

筆者が360度コンテンツを制作するときに使っていた機器はInsta360でした。

手軽な値段の割に長時間の撮影にも耐えられて、画質も結構良かったので重宝していました。

Insta360°|公式サイト

クロマキー撮影でAR空間に表示する

360°映像は、VRだけの市場ではありません。

クロマキー合成を使って撮影をすれば、ARデバイスにも応用できます。

ARKitやUnityで再生する

ArKitやUnityを用いることで、クロマキー撮影した映像コンテンツの透過部分を現実の背景にして再生することが可能です。

開発に予算が多少掛かりますが、この市場はまだそれほど大きくないので、先行して進出すれば先行者利益が十分に考えられる技術とコンテンツになっていく可能性があります。

新しい動画の作り方 |スマホの縦横両方に対応した映像作り

これから出てくるかもしれない有効アスペクトの変化

AR/VRから話は戻って、これからはスマホの縦と横の両方に対応した画作りに対応したハイブリッド映像も多くなってくるかもしれません。

かなり構成が難しいですが、縦表示のゲームアプリで動画が作られてプレイされている現在では、違和感なく受け入れられる構図になっていきます。

動画編集を学ぶ

動画編集の方法については、動画編集ソフトが数多くあるので説明しきれない部分もあるのですが、基本的にADOBE CCのソフトラインナップで覚えておくと、独立してもしていなくても役立つスキルが多く身に付きます。

映像の作り方などについても、Premiere Proチュートリアルで、ソフトの使い方以外にも無料で学べるコンテンツが豊富に紹介されているので役に立つと考えています。

また、YouTubeでのチャンネル開設から動画アップまでのノウハウについては、下記の記事でまとめてあります。

チャンネルを収益化するまでの実例も載せているので、これらのブログ記事が参考になれば幸いです。

YouTubeの始め方を基本から応用まで初心者用にわかりやすく解説

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

ABOUT US
ユニコブログの執筆者である小林玲王奈のアイコン
小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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