海外向けにLINEスタンプを販売展開していく方法を分かりやすく解説

LINEスタンプの海外販売を応援する記事のアイキャッチ画像

LINEクリエイターズマーケットでも、新しいジャンル「LINEメッセージスタンプ」や「BIGスタンプ」が展開され、海外販売展開できるLINEスタンプの種類が増えてきました。

そのような中、今回は海外向けLINEスタンプの販売展開を初心者向けに解説していきます。

この記事の内容
  1. LINEを多く利用している地域が分かる
  2. 海外向けスタンプの作り方
  3. スタンプの海外売り上げ比率を向上するための方法がわかる

海外向けのLINEスタンプ販売

海外向けの各言語に翻訳したLINEスタンプの一覧

LINEスタンプを海外に販売する方法は、LINEスタンプの販売エリアを全てチェックすれば良いだけです。

現在、日本語で作成したスタンプをそのまま全ての販売エリアで指定している方は、統計情報から販売エリアを確認してみましょう。

もしかしたら、日本語で作成しているLINEスタンプが海外で使われているグラフが出ていませんか?

個別のLINEスタンプがどの国で使用されているかを確認する方法
  1. LINEクリエイターズマーケットのマイページにログインする
  2. マイページから「統計情報」を選択
  3. 「アイテム」と「エリア」があるので「エリア」をクリック
  4. 世界中のどの国で自分のLINEスタンプが使われているかを確認できる
  5. 複数のLINEスタンプを販売している場合は、「カレンダー」バーの近くに「全て」という文字があるので、そこから個別のLINEスタンプを選択できる

もし、日本語で世界に販売していたものが海外で使われていたらチャンスかもしれません。

私たちが販売しているLINEスタンプを海外で販売することにしたきっかけも、「かいわれのはし」というキャラクターが様々な国で送受信されているのを発見したことから始まりました。

現在は、5カ国語以上に翻訳をして販売展開をしています。

きちんと日本語とそれ以外で分けていると、売り上げも変わってくることがわかりました。

海外用LINEスタンプ作成のメリット
  1. 自分のLINEスタンプが、どの言語の国で売れるのかが分かる
  2. 言語ごとにどんなスタンプが使われるのか違いがわかる
  3. どの様なデザインがどこでOKラインかノウハウがたまる

※販売エリアによって、ジェスチャーやポーズを少し変更することもあります。

あえて言語ごとのスタンプデザインをして販売展開することで、たくさんのマーケティング情報を得ることができます。

日本語版だけで作成してあまり売り上げが良くなかったあなたのLINEスタンプも、もしかしたら翻訳して販売したら売り上げが変わるかもしれません。

アクティブユーザーの多いエリア

多言語でチャレンジするならば、LINEアプリを使用しているアクティブユーザーが多い場所からチャレンジしたほうがいいです。

以前、LINE株式会社が公表しているIR資料では、「月間アクティブユーザー数( MAU ) 」が記載されていました。

現在は、LINE株式会社は2020年12月29日で上場廃止となったため、上場廃止までに公開していたIR情報が元になっています。

2020年に公開されたLINE株式会社のIR資料内にあるアクティブユーザー(MAU)が多いエリアは、日本→タイ→台湾→インドネシアとなっています。

日本  8600万人

台湾 2100万人

タイ 4700万人

インドネシア 1300万人

引用 : 2020年12月期第3四半期決算補足説明資料(PDF資料)より

海外では、タイの利用者数が伸びてきました。

インドネシアの利用シェアが下がってきてはいますが、この動向は変動的なので注目しています。

資料には出てきていないですが、ベトナムの動向も注目しています。

ベトナムで利用率の高いメッセージアプリに「zalo」がありますが、LINEとzaroは機能がだいぶ違うところがあるので、LINEの利便性がどこまで浸透するか注目したいところです。

私たちはベトナムでLINEのシェアが今後伸びる可能性があるとみています。

その理由は言語対応の多さです。zaloは、ベトナム語と英語しか対応していません。

メッセージアプリは、どれかひとつだけを使用するということは少ないので、アプリとして共存すると考えています。

現在、LINEクリエイターズマーケットでは「ベトナム語」は選べない状況ですが、今後の可能性も含めて、翻訳とデザインはしています。

多言語の翻訳コストはそれほどかからない

LINEスタンプの多言語化展開は、デザインし直す負荷はどうしてもかかりますが、以前に比べたて翻訳コストが低くなりました。

すでに販売済みのLINEスタンプも、海外販売用に多言語化して販売展開をしてみる環境は整っています。

ここでは、費用が高い順からその翻訳手段を記載していきます。

翻訳会社に依頼する

少々値段はしますが、「法人」のほうが良いということであれば頼んでみる選択肢です。

メリットとしては複数の多言語展開をするときに一括してお願いできるので手間がかかりません。

現在、私たちは複数言語を同時に展開しているのでこの方法を選択しています。

お世話になっている会社様を1社ご紹介します。LINEスタンプの翻訳も引き受けていただいております。

訳国株式会社 様(WebサイトがSSL入っていないので会社名だけのご紹介にさせていただきます。)

  1. LINEスタンプの多国言語翻訳実績が多い
  2. ニュアンスやポーズの指摘までしてくれる
  3. 進行するための資料やサポートが手厚い

紹介料とかそういうのをもらったりはしていないので、訳国株式会社のWebサイト問い合わせフォームからお気軽に相談してみてください。

翻訳の精度がかなり良く、現地の友人に各言語や表現、ニュアンスの変更した部分を確認してもらっていますが、いつも精度の高さで評判がいいです。

(したがって、自分たちで翻訳していた時よりも売れ行きがよくなりました。)

また、LINEスタンプ制作専用の進行フォームがあり、これがかなり進行をスムーズにしてくれます。

進行している中でトレンドなどについても貴重な情報をもらえたりするので大変助かっています。

タイ語の翻訳について

タイ語の翻訳は、Webにある自動翻訳では非常に間違いが起きやすい言語です。文字の間隔や声調記号などのとても判別が難しいです。

LINEスタンプのデザインに組み込むときは、最初は翻訳会社に頼んでみることをお薦めします。

下記のサイトは、タイ語についてわかりやすく説明が記載されています。

ストラテ 【タイ語翻訳の落とし穴】翻訳者が語る!注意するべき7つのこと

ココナラやクラウドワークスを利用する

スタンプ1種類1言語あたり1,500円から2,000円くらいでお願いすることができます。

参考リンク : ココナラ

注意:タイ語の翻訳について

スキルマーケット系でタイ語の翻訳をお願いするときは、最初は2人以上にお願いをしてその精度を比較した方がいいです。

中には多くの言語に対応している方や、複数人で多言語翻訳対応をされているかたもいるので大変助かっていました。

各言語の学習本を購入する

一番安く仕上げるならこの選択肢です。LINEスタンプはあまり難しい表現は使わないので、学習本でも有効と考えています。

しかし、微妙な言葉のニュアンスやシーンや擬音(オノマトペ)をスタンプデザインに使用する時に答えを決めにくいのがデメリットです。

注意:タイ語の翻訳について

テキストデータ付きの学習本やWebからの情報で文字を使用するときには、デザインに組み込むために使用するフォントデータに気をつけてください。

Adobeやモリサワフォント、フォントワークスなどで準備されているフォントならばほとんど問題は起きないのですが、フリーフォントなどの場合、いつの間にか違う文字になったりする場合があります。

LINEクリエイターズマーケットのテキストサンプルを使用する

LINEクリエイターズマーケットの制作ガイドにある、LINEメッセージスタンプのテキストサンプルガイドラインには、日本語以外に英語、中国語(繁体字)、タイ語、インドネシア語に翻訳されたテキストサンプルがあります。

LINEクリエイターズマーケット制作ガイドライン : テキストサンプル 

OpenAIが提供している人工知能サービスなどを利用する

最近は、高機能な人工知能サービスが提供されています。

多くの言語に対応しているので、この機能はとても便利です。

例えば、質問や設問の例として

日本語で●●という言葉は、●●語では何と言いますか?

という、質問をすると、その言語で何というか翻訳もしてくれます。

  1. OpenAIの始め方や使い方について実例を用いて分かりやすく解説【文章を書く人向けです】
  2. ChatGPTの始め方や使い方について実例を用いて分かりやすく解説

現在、翻訳手段はたくさんあるので色々試してみましょう。

海外向けのスタンプデザイン

海外向けのスタンプをデザインする基本的な手法は3つあります。

言葉を使わない

他言語対応の制作記事でこれを書くのもおかしいのですが、全世界向けにするならこれも一つの選択肢です。

ただ、感情表現や情景を言葉なしで伝えるのはデザインの設計も難しくなります。

2カ国語デザインにする

日本語を入れながら違う言語をデザインに組み込んでいく方法です。

コマの中がだいぶ詰め込まれますがこの方法もお薦めです。

各言語ごとにデザインする

多言語対応としては一番大変な方法ですが、私たちはこの手法で展開をしています。

下の映像は当社キャラクター「みずにゃ」シリーズの中国語(簡体字)文字入れの制作動画です。

参考動画:【LINEスタンプの作り方】みずにゃ 簡体字 文字入れ メイキング映像 | タイムラプス #7(YouTube)

複数の言語を使用している国の場合はどうする?

販売展開する国によっては複数の言語を使用している国が多くあります。

きちんとやりたい場合、1度は翻訳会社に頼んでみるのをお薦めします。

私たちの場合、LINEスタンプの翻訳は映画作品翻訳を行っている会社にすることもあります。

映画作品の翻訳をやっている企業は、どの国でどれくらいの言語利用率なのかを把握しているところが多く、難しいニュアンスも読み取ってくれて、柔軟に対応してくれます。

各言語のスタンプを全ての地域で販売する場合

私たちは、1つのLINEスタンプを以下の方法で販売登録しています。

翻訳言語の種類

  1. 日本語
  2. 英語
  3. 中国語(簡体字)
  4. 台湾華語(繁体字)
  5. タイ語
  6. インドネシア語
  7. ベトナム語(他フォーマットでの展開用)

2020年04月28日時点では、LINEスタンプは12言語で登録が可能です。

今後は対応言語を増やしていきながらリリースを続け、各エリアでの販売動向をまとめていきます。

各言語のスタンプを全てのエリアでの販売にする

この方法をとると、使用言語が多数ある国でもユーザーの目にとまるようになります。

  1. 可能な限り、発売タイミングは同時にする
  2. 「メイン画像」に対応した言語の言葉を入れておく
  3. スタンプ名の最初のほうに何の言語のスタンプなのか分かるようにする
  4. SNS等で告知する時にはストアIDの後ろに言語コードを追加する

スタンプ名は、日本語版以外は英語で登録したスタンプ名が表示されます。

その際に、同じ「メイン画像」のアイコンを使用しているとどこの言語のスタンプなのかがわからなくなってしまいます。

それを防ぐために、スタンプ名にどの言語のスタンプなのかわかるように使用言語をタイトルの中に入れましょう。

もし、タイトル名に使用言語を使いたくない時、手間はかかりますがLINEスタンプのメイン画像に各言語の言葉を入れて視覚的にわかるようにしましょう。

可能な限り、各言語の発売タイミングは同時にした方が良いです。

その際に先述した内容を盛り込んでおけばストア内でも目立つことになります。

ストアIDの後ろに「言語コード」を追加するというのがありますが、これの一例を紹介します。

にゃっこらさん 3 毎日使える猫スタンプ
日本語版
https://line.me/S/sticker/11098583/ja
英語版
https://line.me/S/sticker/11595449/en
中国語(簡体字)
https://line.me/S/sticker/11544881/zh-CN
台湾華語(繁体字)
https://line.me/S/sticker/11512981/zh-TW
タイ語 
https://line.me/S/sticker/11601581/th

ストアIDの後ろに「/」でja,en,zh-CN,zh-TW,thなどの言語コードを付けています。

この言語コードをつけてSNSに投稿すると、英語表記ではなくて登録したメインの言語コードに表記が切り替わるので告知をする際に便利です。

多言語スタンプの全世界同時販売にはデメリットもある

最近、LINEスタンプを使うときのUI(ユーザーインターフェイス)に変更がありました。

UIとは

ユーザーインタフェイスのことで、ユーザーの目に見える部分。操作などの体験に関する要素はUX(ユーザーエクスペリエンス)と言います。

使用するスタンプを一番下までスクロールすると、スタンプ販売者の最新スタンプが表示されるようになりました。

私達の場合、5ヶ国語全てのLINEスタンプを全ての地域で販売できるようにしたので、せっかくのUI変更で最新スタンプを見てもらえる部分に他言語が全部出てしまっています。

※なので、今後は販売エリアの方針を少し変えるかもしれません。

多言語対応による販売展開

多言語対応をさせて販売展開をしてみると新しい発見をたくさん得ることができます。

是非、チャレンジしてみることをお薦めします。

LINEスタンプの作り方をわかりやすく解説

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

ABOUT US
ユニコブログの執筆者である小林玲王奈のアイコン
小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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