CDNとは?コンテンツデリバリーネットワークについて分かりやすく解説

CDNとは?コンテンツデリバリーネットワークについて分かりやすく解説

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、大規模サイトを中心に、アクセス集中対策などに活用されているネットワーク技術です。

CDNの仕組みを噛み砕いて説明すると、多くのキャッシュサーバーを地理的に分散して配置しておき、負荷を軽減しながら高速で安定したデータ送信を可能にする仕組みです。

なおかつ、送信するデータをコンテンツをユーザーの所在地に近づけることで、高速で快適な配信を可能にしています。

実際に、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、安定したサイト運営や快適な動作環境を提供する上で欠かせない存在です。

筆者自身もCDNサービスを利用しており、当ブログ(ユニコブログ®)を含めて、いくつかの特化ブログでは、CDNを利用してWebサイトのデータが送信されています。

この記事では「Webサイト運営者」の方に向けて、以下の通り「CDNの仕組み」について分かりやすく解説していきます。

この記事の内容
  1. CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは何か
  2. CDNを導入するメリットデメリット
  3. CDNを導入する方法

この記事を読むことで、CDNとは何か、簡単に理解できるようになります。

また、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を上手に活かして、安定したサーバー運営の環境を構築することができます。

CDNを導入し、快適なWebサイト制作環境や運営環境を準備してみましょう。

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1.CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは?

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは?

CDN(Contents Delivery Network)は、正式名称を「Content Delivery Network」と言い、インターネットを介したウェブコンテンツの配信に最適化されたネットワークを指しています。

CDNとは?

CDN(Contents Delivery Network)とは、数多くのキャッシュサーバーなどで構成されたプラットフォームを用いることにより、Webサイト上のコンテンツを迅速にエンドユーザーに届けるための仕組みです。

出典元:ICT Business Online(NTTコミュニケーションズ)より一部抜粋

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、複数のキャッシュサーバーなどで構成されるプラットフォームを利用し、Webサイトのコンテンツをエンドユーザーに高速配信する仕組みを持っています。

実際にCDNを使用することで、一時的なアクセス増でも安定的に表示させることができるので、重い負荷のかかるホームページの運営、動画の配信などに広く活用されています。

CDNは、日本語で「コンテンツ配信ネットワーク」と呼ばれているのですが、CDNは、サービス内容が日々高度化されて便利になってきており、現在のネットワーク環境においては、SSLやセキュリティ対策に対する機能など、色々追加されていっています。

コンテンツデリバリーネットワークには長い歴史がある

過去10年で、さまざまなインターネット上の動画視聴サービスやプラットフォームが普及し始めていますが、こうしたコンテンツを快適に視聴する目的でも、CDNが広く利用されるようになりました。

ちなみに、CDNが登場したのは1990年頃と古く、すでに30年以上の歴史があります。

現在においてもCDNは、Webコンテンツを安定的に配信するためのネットワークとして拡大し、日々進化を続けています。

2.CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の特徴

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の特徴

前章でCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、高速かつ安定した配信に欠かせないことを説明しましたが、機能の特徴としては、以下のような点に集約されます。

  1. アクセス集中時にも安定した表示
  2. Webサイトの快適な高速表示やデータ配信
  3. セキュリティ対策に強い

以前から、P2Pの技術はWeb関連技術に関わっていない人でも広く知られていましたが、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、同一のコンテンツを多くのサーバでミラーする手段が特徴的で、Webメディア市場の成長に伴い、様々な大手メディアでのアクセスの増加、そして多くのサービスがグローバル化するにつれて、知られるようになってきました。

P2Pとは?

CP2Pとは、ネットワーク上で機器間が接続・通信する方式の一つで、機能に違いのない端末同士が対等な関係で直に接続し、互いの持つデータや機能を利用しあう方式。また、そのような方式を用いるシステムやソフトウェアなどのこと。

出典元:IT用語辞典「P2P」より一部抜粋

CDNの仕組みについては、次章でさらに詳しく解説します。

3.CDNの仕組み

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、オリジンサーバーが保持するコンテンツ情報を複製・保存するキャッシュサーバーを複数用意し、コンテンツやユーザーへのアクセスを分散させています。

CDNの仕組み

CDNでWebコンテンツを配信するのはオリジンサーバーといい、Webコンテンツをコピーした複数の代理サーバーは「キャッシュサーバー」と呼んで区別しています。

実際にCDNは、Webサーバーやネットワークの状態、ユーザーのアクセスポイントからの物理的な距離に関わらず、安定したコンテンツ配信を実現することに成功しています。

こうした仕組みによりオリジンサーバーの負荷を大幅に軽減し、配信を安定させることができるようになっています。

4.CDNが必要な理由

CDNが必要な理由

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、効率的なWebコンテンツ配信を実現しています。

通常のWebサイトでは、コンテンツの配信に使用するWebサーバーの処理能力やインターネットに接続するネットワークの帯域に制約があるため、多くのユーザーがアクセスするとレスポンスが低下するときがあります。

しかし、CDNは、Webサイトのコンテンツを全国各地に配置された複数のキャッシュサーバーに蓄積(キャッシュ)し、リクエストしたユーザーにより近いキャッシュサーバーから配信します。

つまりCDNは、Webサーバーやネットワークの状態をはじめ、ユーザーがアクセスした場所か安定したレスポンスを確保し、快適な通信環境が得られるようにしているのです。

実際に、筆者の運営しているWebサイトでアクセスが大きくなっているモノは、このようなCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の仕組みに支えられており、まさにインターネット上の「縁の下の力持ち」的な存在と筆者は考えています。

5.CDN導入のメリットとデメリット

CDN導入のメリットとデメリット

快適な通信環境において欠かせない、CDNの技術ですがメリットだけでなく、デメリットも存在しています。

本章ではCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を導入する上で、どのようなメリットとデメリットがあるのか確認しておきましょう。

5-1. CDNのメリット

CDNのメリットは、オリジンサーバーを経由せず、アクセスするユーザーに物理的に最も近い場所にあるサーバーから、コンテンツを配信するという特徴にあります。

この仕組みによってユーザーは、タイムラグなく快適にサイトやアプリケーションにアクセスし閲覧することができます。

実際にCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が普及してきたことで、多くのユーザーはタイムラグなく、快適にWebサイトやアプリケーションにアクセスし、閲覧することができています。

5-2. CDNのデメリット

通常、ユーザーがWebサーバーにアクセスすると、元の情報がログに記録されます。

しかし、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)では、利用するCDNサービスによって、ログを取得取得するのに工夫が必要になるため、扱いが難しいというデメリットもあります。

実際、オリジンサーバー側のログには、主にキャッシュサーバー(CDN)からのアクセスが含まれておりアクセス元の特定に手間が掛かることもあり、また、その管理方法が煩わしく感じることもあると考えます。

なお、CDNサービスの中には、ログファイルの扱い方を簡便に調整することも可能なところがあります。

業務などで、ログファイルを使ってアクセス元を詳細に分析する必要がある場合は、利用しているCDNサービスのログファイルがどのような内容で、どのように提供しているかどうか、しっかり確認しておく必要があります。

サーバーにアクセスするユーザーは、通常「アクセス元情報」をログに記録し残しています。

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の場合、そのままではログを取得することができない場合があるため、アクセス元を特定することが必要な場合には工夫が必要になる場合があります。

ただし、一部のCDNサービスによっては、先ほど書いたようにログファイルをカスタマイズして提供しているところもあるので、必要に応じてログファイルの有無や扱える内容を確認すると良いでしょう。

CDN導入とキャッシュコンテンツの選別で起きる問題

筆者が考える、CDNで最も心配なデメリットは、キャッシュ事故の問題です。

キャッシュ事故とは、本来キャッシュされるべきでないコンテンツがキャッシュされることで発生するトラブルのことです。

例えば、単にWebサイトのページファイルを高速表示するためだけに利用するならば良いのですが、Webサービスなどで、会員制のページを取り扱っている場合、特定の会員ページがキャッシュされルことが原因によって、他の会員に情報として表示されたりなど、個人情報の取り扱いにおいて危険性をもっています。

これらのセキュリティリスクを防ぐためには、キャッシュするターゲットデータを慎重に選択して設定し、多くの検証をする必要があると考えています。

6.CDNを使用するユーザーと実際の導入事例

CDNを使用するユーザーと実際の導入事例

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を使用するユーザーですが、昨今は幅広い場所で活用されており、実際に下記のような「負荷の大きなサイト」で導入されることが多いです。

  1. 動画配信
  2. 画像の多いサイト
  3. アクセス集中するサイト

例えば、CDNはECサイトだけでなく、ファイル配信以外のWebサイトの配信にも利用されており、天気予報やニュースなどの公共性の高いWebサイトなどで利用されています。

また、テレビ放送関連の企画やイベント、新しい商品の予約サイトが開設されて準備されるときなど、短時間で負荷が一気に高まるWebサイトで利用されています。

筆者の場合は、Webアプリケーション以外の、CMS(コンテンツマネジメントシステム)にWordPressを利用しているWebサイトで利用しています。

具体的なものとしては、RocketCDNを利用しています。

6-1. 動画配信

動画配信やライブなどを配信するサービスサイトでは、安定した配信を行うために、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を使用しています。

YouTubeなどのプラットフォームを利用しないで、独自の動画配信サービスを展開するときには、ほぼ必須になると言っても過言では無いと考えています。

6-2.  画像の多いサイト

フォトギャラリーや高画質なイラストなど、画像を多く扱うサイトでは、快適にアクセスできるよう、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を使い、ユーザーに対して快適な環境を提供しています。

当ブログ(ユニコブログ®)の実例としては、元々、当サイトの画像はSqooshという、Googleが提供している画像圧縮サービスを利用しています。

ただ、たまに画像圧縮や解像度の変換をし忘れることがあるので、プラグインとしてImagifyを導入しています。

Imagifyを導入すると、Webサイトにアップされた画像を、事前に設定した内容で自動的に画像を圧縮してくれるので、万が一、巨大な画像をWebサイトのページに組み込んでしまっても大丈夫になります。

関連記事:WordPressの画像圧縮で使うプラグインはImagifyだけでも良い理由を解説

6-3. アクセス集中するサイト

アクセスが集中するサイトにも、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が必要です。

CDNを使用することで、一時的にアクセスが集中した場合でもオリジンサーバーにかかる負荷を軽減し、サーバーのレスポンスが遅れないよう運用できます。

例えば、当ブログ(ユニコブログ®)を含む、多くのWebサイトで

  1. ConoHa WINGレンタルサーバー
  2. WP Rocket
  3. RocketCDN

の3点を1セットで導入して、Webサイトの高速化をしています。

7.CDNの導入方法

CDNの導入方法

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の導入方法には2つの方法があります。

自分でやるか、CDNの導入をサポートする代理店にやってもらうかです。

通常、例えば、法人としてWebサービスを展開する多くの企業では、組織体制にもよりますが、後者の代理店に設定してもらうパターンも多いと感じます。

以下、CDNの代理店として有名な企業や、CDNサービスをピックアップしてみました。

CDNサービス

  1. Cloudflare(クラウドフレア)
  2. Amazon CloudFront
  3. Google Cloud CDN

CDNの導入をサポートしてくれる代理店

  1. アカマイ・テクノロジーズ
  2. シーディーネットワークス・ジャパン
  3. EdgeCast(エッジキャスト)
  4. fastly(ファストリー)
  5. Lumen(ルーメン)

有名なところでは、AmazonやGoogleが提供しているCDNサービスがありますが、最近はクラウドフレアの市場シェアも伸びてきているところです。

導入の流れとしてはサーバーを設定した後、CDNホストとDNSサーバーを設定することになります。

ただし、CDNを導入する予定のドメイン名によっては、CDNへの切り替えができない場合があります。

また注意したいのが、APEXのドメインはCNAMEレコードの設定ができないということ。

このため、DNSサーバーについてはCNAMEのような機能を持っていることが「CDNを利用する」ための前提条件となります。

APEXドメインとは?

CZone Apexとは、頭にサブドメインを伴わない、ドメイン名自体のこと。当該DNSゾーンの中で頂点(apex)にあたるドメイン名であるためこのように呼ばれる。

出典元:IT用語辞典「APEXドメイン」より一部抜粋

CDNに切り替える場合には、CNAMEレコードの設定はDNSサーバーで行うのですが、*****.ne.jpのように、サブドメインではない「APEXドメイン」を使っている場合は、注意が必要です。

CDN導入方法の一例

実際に、筆者がどのようにCDNを利用しているかというと、レンタルサーバーを借りて、WebサイトのCMSにはWordPressを使用します。

WordPressのプラグインでWP RocketというWebサイトの高速化プラグインを利用すると、コンソール画面にRocketCDNをいつでも利用することが出来るように案内が出てくるので、そこでクリックして利用料を支払うだけでCDNを利用することが出来ます。

スゴく簡単な一例ですが、それほど簡単にCDNが利用できる環境もあります。

8.CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)で良くある質問

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)で良くある質問

コンテンツやインターネットサービスの拡大と共に、多くのユーザーがCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の導入を進めていますが、最後に、CDNについて、よくあった質問を集めてみました。

質問1:大規模ECサイトの運営を考えています。CDNは必要ですか?

アクセスが集中するサイトや、ユーザーの突発的なアクセスが増えるサイトについては、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用がおすすめです。

CDNを使用することで、専用のキャッシュサーバーが利用でき、サイトやネットワークへの負荷やサーバーダウンが防げます。

質問2:CDNはDDos攻撃にも効果がありますか?

DDos攻撃とは、多数のマシンが特定のサービスに大量のリクエストを送り、過負荷をかける攻撃方法のことをいいます。

DDos攻撃とは?

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃とは、攻撃対象となるWebサーバーなどに対し、複数のコンピューターから大量のパケットを送りつけることで、正常なサービス提供を妨げる行為を指します。

出典元:意外と知らない?ITトレンド用語「DDos攻撃とは」docomo businessより一部抜粋

DDos以外にも、リクエストの仕組みを利用した攻撃手法は色々あるのですが、CDNのキャッシュサーバーは、それらのリクエストの一部を受け持つことができ、自社サーバーのダウンタイムなどにおける問題を回避することができます。

このため、DDos対策についてもCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が有効に活用できます。

質問3:CDNを使用すると、どのような環境やコンテンツが高速化されますか?

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を介して、HTMLページ、JavaScriptファイル、スタイルシート、画像、動画など、多くのコンテンツをキャッシュコントロールすることが可能です。

9.CDNは気軽に利用できるようになった配信高速化サービス

DNは気軽に利用できるようになった配信高速化サービス

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、安定した通信環境に欠かせないだけでなく、セキュリティ面でも重要なソリューションといえます。

そして、気軽に利用できるコンテンツの配信高速化サービスになっています。

CDNのまとめ
  1. 分散型でサーバーにかかる負荷を軽減する
  2.  配信パフォーマンスの向上に最適
  3. セキュリティ面でも安心、DDos攻撃にも対策可

AmazonやGoogleなどのCDNサービスを利用しても良いですし、環境によっては当サイト(ユニコブログ®)と同じ環境を作って、CDNは簡単に導入できます。

CDNを上手に活用して、自らののサイト運営だけでなく、ユーザーにとっても高速かつ安全で、快適な通信環境を提供していきましょう。

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ABOUT US
ユニコブログの執筆者である小林玲王奈のアイコン
小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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