「マイ・エスキューエルって何?」
「MySQLって、具体的に何をするものなの…?」
正直、レンタルサーバーを借りてWebサイトを制作して公開するだけであれば、現在はMySQL自体の仕組みや操作方法を覚えなくても、Webサイトの運営をしていくことは可能です。
けれど、大きなDBを企業として運用したり、Webアプリ等、様々なWebサービスやECのデータベース部分をCUIで操作、管理する等をする場合は、やはり学びを重ねていくことが必要になります。
MySQL(マイ・エスキューエル)自体は、プログラミングを学ぶ方であればおなじみのデータベース管理システムの名称です。
MySQLのシステムは、世界のデータベース管理システムのうち「最もシェア率」が高いことでも知られています。
MySQLのメリットは大容量のデータにも、高速で処理できる性能の高さにあります。
また、レンタルサーバーの中には「MySQLのサービス」を提供するところがあり、データベースの管理に役立ちます。
そこでこの記事では
- MySQLとは何か
- MySQLが使えるレンタルサーバー
- MySQLを使用する際の注意点
を紹介します。
この記事を読むことで、MySQL(データベース)が使えるレンタルサーバーが分かり、どのようにして、レンタルサーバー上でMySQLが機能しているのか理解できるようになります。
MySQLに興味がある方、データベースを管理する方はぜひ、この記事を参考に目的に合ったレンタルサーバーを探してみてください。
MySQLとは何か
MySQL(マイ・エスキューエル)は、オープンソース型管理システムのことで、世界的シェアを持つデータベースのひとつとして知られています。
MySQLは、オープンソースとして提供されているため、大小問わず幅広いシステム規模に対応できます。
また「オープンソース型」なので、いかなる場合にも無償で利用でき、世界中で大きなシェアを獲得しています。
【メモ】オープンソースとは?
ソフトウェアのソースコード(=設計図のようなもの)を無償で公開し、誰でも自由にソフトウェアが使用・複製できるようにすること。
または、このような考えに基づいて公開されたソフトウェアのことを「オープンソース」といいます。
MySQLがリリースされたのは1995年ですが、その後2000年にオープンソースとなり、商用・非商用を問わず利用されるようになりました。
WEBサービスサーバーを作るための基本構成を「LAMP」というのですが、LAMPの3つ目にあたる「M」とはMySQLのことで「データベース」を意味します。
そもそも「LAMP」は、サーバーを構築する際に使用するOSとミドルウェアの頭文字を取ったもので、以下の4要素で構成されています。
L:Linux(オペレーティングシステム) |
A:Apache(ウェブサーバー) |
M:MySQL (データベース) |
P:PHP(またはperl、pythonなど) |
「LAMP」は、ソフトウェア環境の構築において、定番的な組み合わせとして使用されています。
● LAMPとは 「L.A.M.P.」 ランプ: – IT用語辞典バイナリ
MySQLが世界に普及した背景
MySQLは、Oracle(オラクル)社が開発・サポートするオープンソースのSQLリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
WordPressにも共通して言えることですが、MySQLにおけるオープンソースの仕組みは、シェアを拡大する架け橋となりました。
WordPressとMySQL
MySQLは、WordPressなどのコンテンツ管理システム(CMS)で使用されています。
関連記事:企業サイト向けのWordPressで簡単にWebサイト作成をする方法
WordPressのデータベースを見たことがある人は、WordPressがすべてのデータを別々のテーブルに分割する「リレーショナルデータベース」を使用していることが分かります。
リレーショナルデータベースについては前項で説明をしましたが、そもそも「データベース」とは、構造化されたデータ集合体のことを言います。
データベースでは、保存されているデータを追加したり変更したりするためのアクセス処理をしますが、このような動作にはMySQLサーバーなどのデータベース管理システムが必要になります。
MySQLの特徴
MySQL最大の特徴は、世界で最も広く使われているCMSである「WordPress」に利用されていることがあげられます。
世界における「WordPressのシェア率」は65%前後あると言われており、この数値に比例するように、MySQLのシェア率も高くなっています。
このほか、MySQLには以下のような特徴があります。
- オープンソースであり、無料で利用できる
- 使い勝手が良い、自由度が高い
- さまざまな用途に利用できる
- macOS、Windows、Linuxなど様々なOSで使用可能
- バックアップ、リカバリ機能が便利
- 「SSH」「SSL」接続によって安全性が高い
このような特徴を見ていると、なぜMySQLのシェア率のシェア率が高くなったのか理解しやすいかと思います。
macOSやWindowsのほか、Linuxでも使えるのもシェアを広げた要因ですし、自由度が高いということは初心者〜上級者までカバーできるのも良いところです。
クライアント・サーバーモデルとは?
クライアント・サーバーモデルとは、クライアント側にプログラムソフトをインストールし、サービスを提供するサーバーと役割を分担して利用するシステムモデルのこと。
通常、データが保存されているサーバーにアクセスするには、クライアントはサーバーにSQLリクエストを送信します。
クライアント・サーバーモデルでは、クライアントとサーバーの役割が明確に分かれているため、エラーが発生したときにどこにエラーがあるのかを特定しやすくなる特徴があります。
また、クライアント・サーバーモデルは、負荷が集中するのではなく、負担を分散させることから、安定した動作環境の構築にも役立っています。
MySQLが動作するために必要な環境
MySQLをベースにCMSを動作させるためには、通常以下のようなサーバやアプリケーションが必要です。
- Web サーバー(Apache、NGINX など)
- PHP
- php-mysqlモジュール
MySQLのデータベースにアクセスするには「MySQLクライアント」として接続するのですが、代表的な接続ツールは次の通りです。
代表的な接続ツール |
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phpMyAdmin |
Webブラウザでデータを管理できるツール。ブラウザ経由で利用でき、Windows、macOS、LinuxのどのOSでも利用可能です。 |
Sequel Ace |
macOSユーザー向けの軽くて使いやすいツールで、DBの確認、操作が行えます。 |
HeidiSQL(ハイディエスキューエル) |
Windowsユーザー向けの軽量で非常に機能的なツールで、DBの確認、操作が行えます。 |
MySQL専用管理ツール |
ここで紹介した以外にも、phpMyAdminのような、MySQL専用の管理ツールもあります。 ● MySQL(公式サイト) |
MySQL 「データベース」についての基礎知識
データベースとは、データを簡単に利用したり、取り出したりできるように構造化されたデータの集合体のこと。
例えば、WordPressサイトであれば「データ」とは、
- ブログ記事の内容
- サイトの登録ユーザーに関する情報
- オートロードのデータ
- その他の重要な設定
などや構成等が含まれます。
MySQLは、これらのデータを保存・管理するための一般的なシステムのひとつなのですが、WordPressサイト構築においては、特に人気の高いデータベース・ソリューションとして支持されています。
ブログサイトやWEBサイトは、成長するにつれて、どんどんとページ数に加えてテキスト量や画像のデータ量が膨大になります。
そのため、ちょっとした更新でも各ページを編集する必要があり、手間とミスが発生します。
そこで登場するのが「CMS」であり、コンテンツ管理システムの中心となるのが、MySQLをはじめとするデータベースになります。
【メモ】コンテンツ管理システム(CMS)とは?
CMS(コンテンツ管理システム)は、デジタルコンテンツの作成や編集などを一括で管理するシステムのことをいいます。
代表的なCMSにはWordPressがあります。コンテンツ管理システムであれば、複雑なコードやプログラミングの知識なしでも、テキストや画像を準備するだけで簡単にWebサイトやブログサイトなどが構築できます。
MySQLの歴史
MySQLはもともと1995年に最初のバージョンがリリースされました。
その後、何度も所有者や経営者が変わりましたが、2010年に所有権がOracle(オラクル)社に移りました。
現在、OracleはMySQLを運営していますが、MySQL事態はオープンソースソフトウェアであることに変わりはなく、MySQLを自由に利用・改良することが可能です。
MySQLの名前の由来
MySQL共同創業者であるMichael “Monty” Wideniusの娘の名前である「My」と、リレーショナルデータベースでデータの照会・管理ができる「Structured Query Language」の略称である「SQL」を組み合わせたものです。
MySQLを利用するメリット
MySQLはオープンソースの「データベース管理システム」です。
非商用であれば無料で利用することができ、初心者でも導入しやすく扱いやすいことから世界中にシェアを拡大しました。
またMySQLは無料でありながら、大量のデータでも高速に動作し、便利な機能を数多く搭載しています。
こうした背景もあり、多くのユーザーやプログラミング学習者が、MySQLの仕組みを学んでいます。
MySQLを学習することで、データベースの扱い方やデータの操作方法を理解でき、さらにWEBアプリケーションの開発に役立てることができます。
実際「データベース管理システム」を使用しないWEBアプリケーションは少なく、WordPressにおいても「データベース管理」は必須のシステムと言えるでしょう。
また、MySQL はユーザトラフィックの多い大規模なアプリケーションの管理にも使用できます。
通常、高機能なデータベース管理システムを構築するには、大きな資金が必要です。
しかし、MySQLはオープンソースであるため、ランニングコストをかけずに、誰でも高品質なデータベース管理システムが使えるようになりました。
例えば、既存のアプリケーションで使用されているデータベース管理システムをMySQLに移行することで、大企業は数千〜数億円ものコスト削減が実現できます。
また、MySQLは立ち上げが容易なため、多額の資金を投入できない個人やスタートアップ企業にも広く使用されています。
このほかMySQLは、小規模なものから大規模なものまで、あらゆるアプリケーションに対応できる柔軟性を備えており、さまざまな環境での動作が確認されているため、Linux、macOS、Windows上でも動作が可能。
さらに、MySQLは、オリジナルの機能を追加するなど、自由にカスタマイズすることもできるなど汎用性もすごく高いです。
MySQLのさらなる魅力
MySQLは「ストレージエンジン」を採用しています。
ストレージエンジンは、データベースの作成・更新・削除といった基本的な操作を行うための中心的な機能です。
MySQLでは、アプリケーションに適したエンジンの種類を選択することができます。
さらにMySQLには、24時間「安定稼働」を保証する一連の機能が付帯しています。
例えばバックアップやリストア機能は、緊急時に大切なデータを守ることができます。
トランザクションとはデータの一貫性を保つため、一連の処理が完了するまでデータを変更しないようにする機能です。
MySQLでは処理中に問題が発生した場合、一連のトランザクションをすべて破棄して、データに矛盾が生じないようにすることができます。
これは金融機関でのお金のやり取りなど、データの不一致が問題となる場面で役立つ機能です。
MySQL にはこのような、トランザクションをサポートする多くの機能があり、データの完全な一貫性を維持するのに役立っています。
MySQLのセキュリティ対策
MySQLは、データを確実に保護するためのセキュリティ機能を備えています。
「SSH」や「SSL」などのセキュリティ技術をサポートしており、データベースへのアクセスを制御し、安全な接続の確保を可能にします。
その他にも強力なデータ暗号化機能があり、第三者によるデータの傍受を防ぐことができますことも可能になります。
MySQLの使用方法
MySQLを使用するには、まずデータベースサーバーに接続する必要があります。
MySQL Command Line Client ソフトウェアは、前述のインストール作業でインストールされますので、まずそれを起動します。
MySQL Command Line Clientを起動すると、パスワードの入力を求められるので、インストール時に設定したRootユーザーのパスワードを入力します。
パスワードが正しければ、データベースサーバーに接続することができます。
MySQLを学ぶ方法
MySQLは人気のあるデータベース管理システムのため、入門書や参考書もたくさんあります。
特に、前述した「LAMP環境」でのWebアプリケーション開発は、関連書籍が多く出版されており、これからMySQLを学ぶ方にも参考になるかと思います。
MySQLは、書籍を読むことで手軽に学習できますが、正直….独学ではどうしても挫折しやすくなります。
書籍による独学が難しい場合は、後述するスクールの利用等をお勧めしますが、MySQLのコミュニティーに分かり易いリファレンスマニュアルも用意されているのでそこで得た知見と試してみたりしてどうしてもダメだったら
実際、Web上には、公式サイトをはじめとしたMySQLの入門サイトがいくつかあります。
一部は無料でありながら、非常に質の高い教材も出ています。
ただ、これらのサイトの一部については「情報の質」が保証できません。
このため、利用する際には自己責任による「注意」が必要です。
MySQLの公式フォーラム以外を利用する場合には、できればサイトの評判を確認し、信頼できるサイトを選択されることをおすすめします。
MySQLを扱えるスキルで就職が有利になるのか?
MySQLは、私たちが日常的に利用しているWEBサービスの多くで利用されており、個人ブログでもMySQLを利用してデータを管理していることが多いです。
一般的に大企業の部署では、OracleやMicrosoftSQLを使用しており、スタートアップ企業やIT企業でもMySQLを使用しているパターンは見られます。
このため、MySQLをあつかうスキルを習得すれば、特にスタートアップ企業やIT系企業への就職について有利に動く可能性があります。
就職活動で「有利になる資格を身に付けたい」という方は、MySQLの修得を検討してみても良いかもしれません。
MySQLが使えるおすすめのレンタルサーバー
MySQLが使えるレンタルサーバーサービスは数多くあり、ConoHa WINGやエックスサーバーのほか、ロリポップ、さくらのレンタルサーバー、KDDIなどのサービスも人気です。
MySQLが使えるレンタルサーバーのうち、当ブログ(ユニコブログ®)でも利用しているConoHa WINGの詳細は、以下の記事でも詳しく解説しています。
● ConoHa WING(コノハウィング)でブログを作る方法と手順
MySQLを使用する際の注意点
MySQLを使用する際の注意点ですが、使用するにはWebサーバー(Apache)をはじめ、プログラムの実行環境(PHP)が必要です。
ここで1つ注意点があります。
それは、MySQLを使用するためにはや、が必要となる点です。
プログラムの実行環境は、DBからデータを出し入れする際に必要な機能です。
またサーバーは外とデータベースとの中間に立って、データの流れを整理する重要な機能です。
MySQLを利用する際には、上記環境も考慮し準備を進めるようにしましょう。
まとめ|MySQLの仕組みを知る
今回はMySQLの仕組みを解説してみました。
私たちが普段よく使っているWordPressとは切っても切れない関係にありますし、データベース管理システムの中ではメジャーなシステムです。
このため、自らのWEBサイトやブログ運営のためだけでなく、今後のキャリアアップに活かしたり、学生さんであれば就職活動などに「MySQLの知識」を活かすことも可能です。
MySQLを学んで、さらにデータやサーバーの仕組みに詳しくなりたい方は是非です。
なお、以下の記事ではWordPressに関わるCMS(コンテンツマネジメントシステム)について詳しく解説しています。
本記事と合わせて、少しでもお役に立てば幸いです。
● CMSとは?コンテンツマネジメントシステムの事を分かりやすく解説
MySQLが使えるサーバーとWebサイト運営に関する関連記事
当ブログ(ユニコブログ®)では、初心者向けの技術情報も含め、Webサイトコンテンツの制作の仕方や、その運営方法などについて様々な情報を日々更新しています。
これらの情報がお役に立てば幸いです。
データベースには「階層型データベース」「ネットワーク型データベース」など、データを格納する方法があるのですが、MySQLでは「リレーショナルデータベース」という形式を採用しています。
「リレーショナルデータベース」を簡単に説明すると、エクセルのスプレッドシートのような「列と行のデータベース」のこと。
リレーショナルデータベースでは、テーブルの行(横)を「レコード」、テーブルの列(縦)を「フィールド」、テーブルを「テーブル」と呼んでいます。
セッションではテーブルどうしの関係を構築しますが、リレーショナルデータベースでは、2つ以上のテーブルから関連する要素を結合して新しいテーブルを作ることができ、フィールドの値を更新すると、関連するテーブルの値も自動的に更新される仕組みです。
なお、SQLを使ったデータベース管理システムをRDBMS(Relational DataBase Management System)と呼び、MySQLはRDBMSの一種に含まれます。
● RDBMS 【Relational DataBase Management System】 – IT用語辞典