なんていう、いつもとは違うH1タイトルでお届けしています。
筆者が他の会社で事業立ち上げや事業成長などを手伝う場合、ちゃんとNDA*1のほか、色々とサインをするのですが、その辺りは引っかかりないようにする感じで書いていきます。
最近はどうなのでしょうか。
今でも、ほとんどの場合は新規事業を立ち上げる時に競合を定義して進めるプロセスでしょうか。
タケノコのように生えてくる競合は定義できない
数十年前となるとわからないのですが、筆者自身が事業立ち上げに関するコンサルティングをすることになってからは、起案時点で見える市場の大きさについては、仮説を立てて予算を組むためにある程度の定義はしていましたが、ここ最近においては、競合については定義する事がほとんどなくなりました。
その理由は3つです。
- 競合の本業ではないところで価格競争展開などをされると勝てない
- 何かの会食における第三者の二つ返事ですぐに強烈な競合が出来上がる時代
- シンプルなサービスほど先の2つによって競争環境が劇的に変わりすぎる
という事実があるからです。
じゃあ、何も競合について何も調べないし競争する戦略を考えないのかというと、完全にそういうことでもないのですが、少なくとも、同じ市場、また細かいセグメンテーションや、その他のマーケティングに関わる分析や考察による展開方法は計画していきます。
ただし、その市場のトッププレイヤーなどを競合の枠に入れたりすることはしません。
同じ資本力で勝負ができるなら検討する余地もありますが、執筆時点の、この2024年においては、もはや、ほとんどの市場は大きな資本力でスタートアップが生み出した新たな市場も含めて丸ごと取り込めてしまうからです。
むしろ、それを出口*2として狙って新規事業を立ち上げる場合もあります。
若干話がそれますが、スタートアップ企業に入社(おそらく、ほとんどが中途入社になるかと。)する場合は、その時点で見ている当面の目先にあるゴールについて、よくよく確認して、ゴールの先にある自分の立ち位置とスキルがマッチするか、事前に本当によく検討するべきだと考えています。
競合会社を定義するより事業がユーザーにもたらす付加価値の違いを把握する
競合会社を定義したり、事業に関する様々な数値を一覧にして比較し、把握するのはすごく簡単になりました。
今では、それこそマーケターの仕事を、LLMベースのOpenAIが提供するChat GPTなどに任せて、一瞬で多角的な視点で状況を俯瞰する事が可能です。
ただし、定量的にできる数字は、そのようなアプリケーションに任せることはできても、サービス内容の比較など、数値化できない部分のほうが、新規事業、特に、既存市場ではセグメンテーションしにくい新規市場や、全く違う見方のできる付加価値、バリューチェーンにして切り出していくものからアプローチしてくことはすごく重要です。
むしろ、定量的に検討できる情報からは読み取れない情報が多くあるので、この部分に時間を割く事がすごく重要です。
筆者の場合は、得意な部分として、あるサービスの一部分を大袈裟な市場と捉えて、そこのプロセスを抜き出しながら
- 圧倒的な価格差で利益を出しながら参加する事ができるか?
- 既存の市場参加者が対応できないスピードで判断しながら展開できるか?
- 重大な方向転換を迫られた時にどこに応用が効くか?
を中心に、新規事業の構成や体制を組んでいきます。
この時、先ほどのように、競合を正確に定義することはありません。
自社、または参加しているプロジェクトが上記3つにどのように対応できるかだけに集中して考えます。
このとき、特に提供できる付加価値の内容についてかなり細分化して内容を把握します。
一般的に競合となる企業に競合と認知される前に動く
「競合を定義しない」内容について、筆者自身がそう語っても、同じ市場内のセグメントに関係するであろう他者にとっては、競合に定義されることはあります。
なので、新規事業の立ち上げ時には、特にスタートアップとしての立ち上げ、小規模事業者としての新規事業の場合、広告タイミングについては慎重に行います。
つまり、一気に顧客を創出する進め方にするのか、少しずつユーザーを増やしていくのか、このあたりは最重要項目になってきます。
大手資本が相手なら、スピードで勝てるというのは、今はもう通用しません。
筆者の経験上、判断の早いマネジャーや経営者であれば、脅威と感じた瞬間、その翌週には事業を被せられる展開をかけられます。
なので、筆者がよくオススメするのは、垂直立ち上げになって、現場はひどく状況は厳しくなりますが、まずは、如何にして短期間で運営しつつユーザーのために改善を回せる予算を担保できるか?を計画します。
よく会議などで出てくる言葉の中に書籍で巨象も踊るというタイトルが出てきますが、現代においては、「大手」、「中堅」、「小規模」みたいな区分けで、企業規模が小さいほど経営判断のスピードでメリットがあると考えていると事業立ち上げで失敗する可能性を高めます。
いわゆる、「大手しかできない」ような新規市場を作り出す展開は可能ですが、その逆は別です。
大手と言っても、対策専業チームでも作られたらすぐにアウトです。
小さい会社だから有利、という考えは、現代においては一切考えない方が良いでしょう。
競合の定義より事業プロセスの安定化を優先
そんなことから、競合の定義と分析で隙間を見つけることにリソースを割くよりも、素早く顧客やユーザーを創出して、且つ、その付加価値を上げるために運営環境と事業(サービス)の価値を高めることだけに集中していきます。
このプロセスは、いざ新規事業が実際に始まると、非常に細かい単位でチャンネルを設計しながら組み上げていきます。
顧客やユーザーの中に、すぐに、今まで言う競合に勤めている人が利用者になる事が多いです。
そのためにも、気づかれて諸々動かれる時に、単に広告戦略的なもので巻き返されないようにしてしまうのです。
もともと、あまりビジネスでの「戦略」とか「競争」という言葉は好きではないのですが、競合の定義について、簡単ではありますが少し書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。