業務でオーサリングというと、DVDやBlu-ray(BD)及びUltra HD Blu-ray等の、SDかUHDまである光ディスクの中に、テキスト、画像、動画、音声で構成された様々なデータを組み合わせて格納し、量産化された光ディスクとして製品化するというものがあります。
12~13年くらい前までは、映像業界ではDVDやBlu-rayでの販売が収益の多くを占めていたこともあり、多くの光ディスクオーサリング案件がありました。
当時、設備投資は大変なものでしたが、DVDでも1タイトル当たりのオーサリングで10万円以上の売上、Blu-rayだと100万円ほどのオーサリング料金となり、1案件の売上大きく、この光ディスクオーサリングの事業は大きく利益をもたらしてくれるものでした。
したがって、事業として継続的な設備投資や人材教育等が十分にできて、しっかりとエンジニアリングできるオペレーションを設計して、多くの人達を育てられた会社は大きな事業収益を得られた時代もありました。
しかし、ここ数年は多くの競合会社の参入と、個人でもできる手軽さを備えたオーサリングシステムやアプリケーションの登場でみるみると案件の値段は下がり、昨今の配信事業の成長も重なって案件自体も少なくなってきているのが現状です。
光ディスクの市場については、JVA(一般社団法人日本映像ソフト協会)で公開されているデータをみてみると、全体市場のシュリンクを確認することができますが、一部のジャンルをのぞいてはゆっくりではあるが市場は衰退している事が分かります。
光ディスクオーサリング
業務用の光ディスクオーサリングでは、多くの人がScenaristを使用してオーサリングをしています。
オーサリングソフトは現在、最新のOSに対応したことでホッとできた一時はほっとした時期がありましたが、エンコードソフトのほうは中々そうでないのが現状です。
最近ではダイキン工業株式会社がScenaristの事業を終了することも発表し、光ディスクオーサリング事業を取り巻く環境はますます厳しくなってきました。
現在は、DVDやBlu-ray(BD)及びUltra HD Blu-ray等のアプリケーションはサブスクリプション形式で提供されています。
DVD/BD/UHD制作システム関連事業の終了に関するお知らせ
さて、当社は1995年のDVD規格制定以来25年に渡り、Scenarist(シナリスト)製品を中心に各種ビデオコンテンツ制作分野に向けた、制作システム関連の販売・サポート事業を展開して参りました。これも偏に皆様のご愛顧、お力添えの賜物と深く感謝申し上げる次第です。
しかしながら、近年事業環境が大きく変わり、今後の事業展開を総合的に検討した結果、2021年3月末日をもって本事業を終了させて頂くことになりました。
引用元 : ダイキン工業株式会社|DVD/BD/UHD制作システム関連事業の終了に関するお知らせ より引用
現在、新しいOSに対応しているエンコードソフトもありますが、それもやはり大きな設備投資になります。
かといって、古いOSやPCを使い続けていて、いつ故障に見舞われるか分からない状況の中で業務を行っている人も多くいます。
また、光ディスクでの事業収益が下がっていくに連れて、オーサリング紐付く細かい編集案件やオーディオ編集など、全く違う専門分野の対応を行わざるを得ない状況になっている所もあります。
この他、光ディスクオーサリング以外に「何でもいいからプログラミングを覚える」というようなキャリアステップを迫られていて、逼迫する業務と次のキャリアとして何から手を付ければいいのか分からない立場に追い込まれている方もいました。
個人的には、市場がこの感じになってくると、基本的にはそろそろビズリーチな感じです。
ノーコード(NoCode)へのキャリアチェンジ
そんなオーサリングエンジニアの方々にも朗報があります。
昨今、NoCode(ノーコード)によるWebアプリの開発プラットフォームが盛り上がりを見せています。
プログラミングができなくても、Webアプリやスマホ用のネイティブアプリが開発できるようになっています。
筆者もDVD、Blu-rayのオーサリングツールは12~13年前から使用していました。
NoCode(ノーコード)開発ツールには様々なものがありますが、どの開発ツールも光ディスクのオーサリングと似ているUIで構成されています。
また、下記の「ノーコードシフト プログラミングを使わない開発へ」書籍もノーコードプログラミングを知る上でとてもわかりやすい書籍になります。
書籍で紹介されているノーコードツールを実際に使ってみると分かりますが、光ディスクのオーサリングソフトと使い勝手がとても似ていることに気づくでしょう。
紹介されているWixやWordPressによるWebサイト制作などについては、当ブログ(ユニコブログ®)でも特集しています。
関連記事:WEBサイト作成サービス7選!初心者向けのおすすめツールを紹介!
また、アプリを作成していく流れも、Scenaristで行うシナリオエディタでのオーサリングととてもよく似ています。
コンテンツ全体の設計をし、必要なコンテンツ素材を整え、シナリオを組んでいく。
光ディスクのオーサリングと同じ流れでWebアプリを開発していく事が可能になっています。
ノーコード(NoCode)を始めてみる
NoCode(ノーコード)で行うための開発ツールは様々なものがありますが、筆者がお薦めなのはBubbleという開発プラットフォームです。
Bubbleを使えば、webアプリの開発で必要なフロントからバックエンドまでの幅広く深い知識がなくても最後まで開発することが可能です。
Bubbleについての詳細は、下記のnoteでその使いやすさが伝わってきます。
note : Bubble:あらゆるWebアプリを開発できるNoCodeのパイオニア (あんどう|NoCodeとDXさん)より
Bubbleは初心者向けの情報がとても多いので、最初はBubbleから始めてみることをお薦めします。
参考書籍:基礎から学ぶ ノーコード開発
Bubbleをやりながら経験値をブログに貯めていく
新しい開発プラットフォームでの体験はとても貴重なものです。
迷って解決したことをブログで共有することで、あなた自身のコンテンツにも魅力が出て、人気ブログになっていくかもしれません。
またブログを開設して運用することで、Webに必要な知識を同時に得ていくことが可能になります。
ブログの開設方法から運用方法までを下記の記事にまとめてみましたので参考になれば幸いです。
関連記事:ブログの始め方と人気ブログの作り方を完全初心者向けに解説
新しい開発プラットフォームを覚えながら、自分のメディアを持つことで、万が一にも転職を考えるような事が起きた場合に自分がコンテンツを持っていることは有利に働きます。
オーサリングからエンジニア転職をする
ノーコードが広がって来たおかげで、今まで光ディスクのオーサリング経験しかない人でも、エンジニア転職でキャリアチェンジが出来る機会が増えています。
光ディスクのオーサリングスキルはノーコードと親和性の高いスキルです。
また、そのスキルに加えてプログラミングを学んでいけば、あたらしいキャリアを積んでいくことも可能です。
エンジニア転職に強い転職サービス候補は以下の3社です。
ちなみにビズリーチは総合全般なのではないか?と思う方もいらっしゃるかもしれないのですが、大手の光ディスクオーサリングエンジニア自体をまだ募集しているところもありますし、エージェントの方が光ディスクオーサリングのキャリアを活かしたノーこーどエンジニアリングについて理解してサポートしてくれる方と繋がる可能性が多いので紹介しています。
プログラミングを学びながら転職する
オーサリングスキルに加えて、プログラミングスキルも身に付けていけば、転職でかなり有利になります。
光ディスクオーサリングを経験すると、動画に関する知識も身についています。
それに加えてプログラミングスキルも備えているとなれば、かなりのキャリアアップが狙えます。
実際に筆者の知人で、光ディスクオーサリングから動画コンテンツを多く扱うゲーム会社へ転職した方もいます。
光ディスクの圧縮に関する知識や動画ファイルの取り扱いを知っていたことで、転職後に配属されたプロジェクトの動画を組み込んでいく場面で役立てることが多かったそうです。
プログラミングというと敷居が高い感じもしますが、以前に比べれば開発環境はとても扱いやすくなっていますし、Web系でよく利用される言語から始めるのも全然アリです。
詳細は、下記の記事で特集しておりますので、お役に立てば幸いです。
関連記事:Webとは?初心者向けにWebの基礎知識を効率よく勉強する方法を5つ紹介
新規事業を提案できるくらいまでノーコード(NoCode)を使いこなそう
転職までいかなくても、ノーコード環境の使い方や新たなプログラミングを覚えると、新規事業創出の機会を得ることが可能になります。
光ディスクオーサリングを行っている企業にとっては、ノーコード(NoCode)による新しい技術習得は新規事業の機会を生んでくれます。
特に映像業界は、現在も新しいコンテンツのウィンドウを常に探しています。
そのような中、Webアプリやスマホ用のネイティブアプリを提供できる技術力を持てば、すでに取引のある映像コンテンツ会社に大きな付加価値を提案することができるようになります。
そうすれば、光ディスクが登場し始めたときの栄光がまたよみがえってくる機会を得ることが可能になります。
まとめ|自分の市場価値を知りつつ転職活動をしてみる
最近は、スマホのアプリでも気軽に転職活動が出来るようにもなってきました。
そのなかでも便利なのがミイダスというアプリです。
ミイダスの特徴は5つです。
- 5分くらいで簡単に登録できる
- オファーは基本、面接確定
- 企業から直接アプローチが来る
- 自分と似ている経歴の転職データが確認できる
- 氏名、住所の入力が不要なセキュリティ対策
当ブログ(ユニコブログ®)では、ミイダスの使い方を詳しく解説しています。
とりあえずどんなところからオファーが来るのか試してみるにはとても便利なアプリですね。
新しい技術習得でコンテンツ業界を一緒に盛り上げていけたら幸いです。
いろいろ調べてみましたが、ノーコード関連情報はどんどん公開され積み上げっていて、それを専業としている方も増えています。
光ディスクオーサリングだと、自分で得たノウハウは基本外に出ないし共有されなかったので、ノーコードツールを仕事にすると、素敵な情報共有環境に巡り会えます。
まずは、ビズリーチやミイダスに登録でも良い感じかもしれないですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。