YouTubeは、制作した動画コンテンツを無料で世界中に発信することの出来るとても素敵なプラットフォームです。
けれど、世界中に制作した動画の内容を理解しやすくしてもらうために必要な作業があります。
それは、翻訳作業と字幕の作成作業です。
- タイトル
- 動画の説明
- 字幕
上記の項目は、1つの動画に対して複数の言語を追加していくことが出来ます。
しかし、多言語への翻訳は自動翻訳があるとはいえ手間が掛かる作業ですし、複数言語の字幕設定をしていくことはとても手間が掛かる作業になります。
YouTubeには、自動翻訳で再生するという選択肢もありますが、ナレーションや音声による動画内容の解説が入っていない場合は、テキストによる情報の補完ができません。
そうなると、文字起こしが必要になったりしますが、それよりも時間が掛かるのがやはり翻訳した字幕の表示タイミングの設定などです。
本記事では、簡単な方法で多言語対応した字幕データを簡単に作る方法を分かりやすく解説していきます。
多言語対応した字幕データを追加することによるVSEO効果などについて確実な事はないのですが、字幕の追加によるコンテキストの要素を動画と連動させてあげることは、視聴者に対しては優しいコンテンツ作りの1つになります。
やり方を知っておくだけでも役立つ場面が出てくると思いますので、お役に立てれば幸いです。
YouTubeの動画に字幕を付ける
YouTubeに字幕を付ける方法は簡単です。
- YouTube Studioにログインする
- 管理コンソールの画面から字幕を選択する
- 字幕を付けたい動画を選択する
- 言語を追加を選択する
- 追加したい言語を選択する
ここまで画面を進めると
- タイトル
- 説明
- 字幕の追加
の3つが行えるようになります。
YouTube動画のタイトルと説明の翻訳について
YouTube動画のタイトルと説明の翻訳については、
上記の3つの内のどれかを利用すれば、いろんな言語に翻訳して入力することが可能です。
字幕データの翻訳について
YouTube動画の字幕の翻訳については、どちらの動画のタイプから翻訳を始めるのかによってプロセスが変わってきます。
- 出演者が話していたりナレーションが入っている場合
- 動画内に解説などの音声がない場合
① 出演者が話していたりナレーションが入っている場合
この場合は、Vrew等、テキスト起こしをしてくれるソフトがあるので、そのサービスを利用して字幕データを作ることが可能です。
動画をそのまま書き出してしまうと、動画自体に焼き付けられた字幕として動画が出力されてしまうので、「字幕を全てコピー」という機能を使って、文字起こしされた字幕データのテキストだけをメモ帳などのテキストアプリにコピペしましょう。
② 動画内に解説などの音声がない場合
制作した動画内に何らかの音声情報による、動画の解説などが元々入っていない場合は、先ほど紹介したYouTubeの字幕作成画面で「言語の追加」から直接、字幕の編集画面に移ってしまいましょう。
YouTubeの動画に字幕を付けるための編集作業
YouTubeの動画に字幕を付ける場合は
- 字幕ファイルのアップロード
- 自動同期
- 手動で入力
- 自動翻訳
の4つから選ぶことが可能です。
ナレーションや会話が入っている場合
先ほどの「出演者が話していたりナレーションが入っている場合」で動画をアップしたりしている場合は、自動で日本語字幕などが作成されている場合があると思いますので、まずは「日本語」の字幕をしっかりと整えておきましょう。
または、「手動で入力」を選択して、先ほど紹介したVrewというWebサービスでテキスト起こしを行い、コピペしたテキストデータを入力しながら、字幕の表示タイミングを入力していきましょう。
小ネタですが、映像業界で映画の場合は、1行の文字数は14文字で、人が読める文字は1秒4文字計算というような細かいルールがたくさんあります。
「1つの画面に出す文字の数は14文字×2行まで」などの慣習的ルールはありますが、コレにしたがって作業すると、ものすごい労力が掛かるので、好みで選んでいただければと思います。
ただ、映画字幕についての知識は覚えておいて損はしないので、読み進めて字幕について知っておくと何かと役に役に立ちます。
ただ、本記事では自動翻訳による字幕データの生成が主体ですし、YouTube自体にも次々と言語の壁を越える機能が追加されてきている*1ので、あまり気にしなくて良い部分かもしれません。
※ YouTubeの字幕で2行にしたい場合は、SHIFT+ENTERで1字幕内で改行が出来ます。
解説などの音声がない場合
この場合は、最初から字幕の編集で「手動で入力」を選択して、文章で動画内に解説を入れながら字幕データを作成していきましょう。
参考動画を下記に埋め込んでおきます。
この動画では
- 日本語
- 英語
- スペイン語
の3つの字幕を用意しています。
人が1秒間に読める文字量に注意して字幕を入力していきましょう。
※ 筆者は1秒4文字くらいを目安にしています。
YouTube動画に字幕を付けるための編集画面
字幕の編集で「手動で入力」を押すと、字幕の編集画面に移ることが出来ます。
字幕編集の要素としては
- 表示する字幕の文章内容
- 字幕の表示開始時間
- 字幕の表示を閉じる時間
上記の3つが1セットになる形です。
これを、繰り返し作業していき、完成させていく感じです。
これについては、練習用の限定公開動を作成して実際に字幕入力の練習をしてみましょう。
触ってみるのが1番です。
YouTube動画用の字幕ファイルを書き出す
日本語で作成した字幕データが完成したら、字幕編集画面の「テキストとして編集」の横にある、縦3つの点ボタンを押してみましょう。
「字幕をダウンロード」
という選択肢が出てきますので、コレを選択してダウンロードします。
すると、執筆時点ではファイルの拡張子で「.sbv」というデータがダウンロードできます。
この「.sbv」という拡張子を「.txt」に変えてみましょう。
すると、
- タイムコード
- テキスト
- 1行スペース
という構成でひたすら字幕テキストデータがある分だけ表示されると思います。
ここまで来れば、字幕の多言語化を一気に行って登録できるようになるまでもう少しです。
YouTube動画用の字幕ファイルを翻訳する
ここまで来れば、一気に字幕の多言語化に入る作業に入れます。
まず、無料で使えるいろんなWeb翻訳サービスを使ってみたのですが、
- タイムコード
- テキスト
- 1行スペース
この形式を崩さずに翻訳して欲しい部分だけを翻訳してくれたWebサービスはDeepL翻訳でした。
それ以外は、タイムコードのカンマが違うテキストに変わってしまったり、余計な改行が入ったりなどの症状が出たので、とにかく今はDeepL翻訳に「.txt」に変換して開いた中身をそのままオールコピーして翻訳しましょう。
翻訳した字幕ファイルの拡張子を戻す
「.txt」に変換して開いた中身をそのままオールコピーして翻訳したら、そのファイルの拡張子を「.sbv」に戻します。
戻した拡張子を新しい言語の字幕として登録する
例えば、今回翻訳した字幕ファイルが英語であれば
「en-captions」などのファイル名を付けて、YouTubeの字幕作成画面で「言語の追加」画面へ移動しましょう。
翻訳した字幕をアップロードする
YouTubeの字幕編集画面で新しく追加した言語の字幕編集画面に移ったら早速、翻訳済みの「.sbv」ファイルをアップロードしましょう。
基になった「日本語」の表示タイミングで「英語」の字幕が表示されるようになっているはずです。
この調子で、他の言語もやっていけば、DeepL翻訳で対応している言語はすぐにYouTubeへアップロードできます。
YouTubeの字幕ファイルで起きやすいトラブルや解決方法
ここで、自動翻訳を利用してYouTubeの字幕データを作成した時に起きやすいトラブルや解決方法について記載しておきますので、参考になれば幸いです。
対応していない言語についての対処方法
DeepL翻訳で対応していない言語をアップローしたい場合には、「文章部分」だけを翻訳して、日本語の.txtに記載してあるタイムコードをコピペしていって「.sbv」に戻す手間はどうしてもかかります。
翻訳されている情報が正しいか分からない場合は?
筆者の場合は、いろんな翻訳ソフトで文章部分の逆翻訳を行って、あまりにかけ離れた翻訳になっていないかだけ確認しています。
けれど、特に「名詞」については調べきれない部分もあるので「origami」のような名称はそのまま利用していいます。
翻訳データをアップロードしたらエラーが出てしまった
この場合は、基本的に「タイムコード」の記述方法に何か変化が起き場合に起きます。
基になる「日本語」の字幕データ内にあるタイムコードと、アップロードした言語の「タイムコード」の記述に、何か変化が起きていないか確認してみてください。
YouTubeは取り込み時にエラーがある場合、「何行目」に問題があるかを教えてくれるのでそれが参考になります。
YouTube動画から字幕をダウンロードする
自分が運営するYouTubeチャンネルの動画であれば、字幕データをダウンロードすることが可能です。
「YouTubeチャンネルと合わせてブログサイトもマルチメディアに展開したい」という時の文字起こしでかなり便利です。
ダウンロードできる字幕の形式は3種類
- .vtt
- .srt
- .sbv
です。
自動で生成された字幕のキャプションデータもダウンロードできるので、「.srt」の拡張子を「.txt」に変えればコピペで書き言葉にする時の下地として使うことも可能です。
字幕データのダウンロードは、YouTube Studioのメニューにある「字幕」を選んで、字幕データをダウンロードしたいコンテンツのオプションから選択可能です。
字幕ファイルの追加で世界に情報発信をする
現在でも、字幕は焼き付け(Burn-in Subtitleとか、いろんな言い方があります。)が多いですが、YouTubeで実装されている字幕の表示機能を使うことで、同じ動画に対して多言語対応をすることが可能になります。
これらの機能に対応して動画制作をしていくことで、ジャンルによっては生成回数に影響することもあるので、特に「日本文化の紹介」系を発信するときには字幕機能も活用しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
YouTubeの動画字幕データに関する脚注
- Made on YouTube: 誰もが「創造」できるように|日本版YouTube公式ブログ ↩︎