パブリックドメインの著作権と著作者人格権などに関連して気をつけることを記載

パブリックドメインの著作権と著作人格権などに関連して気をつけることを記載

パブリックドメインは、正しく利用すれば新たなビジネスチャンスとなりますが、単に「何にでも自由に使える」と解釈して著作物の扱いを間違えてしまうと無用なトラブルを発生させてしまいます。

パブリックドメインを活用した成功事例として、筆者が放送・映像業界にいた頃は、主に映画コンテンツをデジタルリマスター化したDVDやBlu-rayでのパッケージ販売や、字幕機能を用いた英語学習教材などのWebコンテンツとしての利用です。

上記のように、パブリックドメインの何に気をつければ良いのかを知っておくことはとても重要です。

本記事では、それらパブリックドメインに関連する著作権と著作者人格権について書いていきます。

この記事の内容
  1. 日本におけるパブリックドメインの解釈
  2. パブリックドメインの利用で気をつけること
  3. 著作者人格権や商標権などについて

パブリックドメインとは?

パブリックドメインとなる著作物は、該当するケースがいくつかありますが、現在、基本的に日本では、著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年となっており、この期間が経過すると、作品はパブリックドメインとなり、誰でも自由に使用することができます。

このほか、著作者不明の作品*1や、あまり例のないケースになるかもしれないのですが、著作者が、意図的に著作権を放棄した場合も、その作品はパブリックドメインという扱いになります。

パブリックドメインの著作物を扱う場合には、関連する著作権法*2をよく確認して活用すれば、商業としても新たな事業機会となる大事なコンテンツ分野になります。

パブリックドメインの利用で気をつけること

パブリックドメインとなったコンテンツで気をつけることは数多くあります。

パブリックドメインであることの確認

パブリックドメインであることを確認するというのは、少し変かもしれないのですが、本当にパブリックドメインなのかを調査する必要があります。

迂闊に「このコンテンツがパブリックドメインらしいよ?」みたいな感じで利用してしまうと、後述しますが、著作者人格権や、パブリックドメインの使いかたで商標権についても無用なトラブルが生まれることがあります。

なので、どのようにパブリックドメインとして扱えるかを調べる必要があります。

国によって変わるパブリックドメインの扱いについて

パブリックドメインの定義や著作権の有効期間は、細かく調べると国や地域によって多少なり扱いが違います。

なので、パブリックドメインの著作物をどのように展開するか、どこへの発信で利用するか、特にWebサイトで世界中に配信される場合には注意が必要です。

パブリックドメインの商用利用について

パブリックドメインとなった著作物やコンテンツは、商用利用も可能になりますが、そのコンテンツ自体の改変などについては慎重に検討する必要があって、また著作物の尊重をした取り扱いをすることが大事です。

なので、冒頭でも紹介したパブリックドメインの映画を語学教材や、映画に関する解説系の商品やサービスとして公衆送信(Webで配信)したり、パッケージ化した、学習や教育に関連したものが、パブリックドメインを活用したビジネスとして成功しやすい理由も、そこにあると考えています。

商標権などの知的財産権について

コンテンツや著作物自体がパブリックドメインになったとしても、そのコンテンツに関係した商標権などの知的財産権によって関連付けがされている場合があります。

著作者人格権について

パブリックドメインになった著作物にも、著作者人格権が存在している場合があります。

詳細については、『著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置』という条文で明記されています。

なので、やたらめったらにパブリックドメインの著作物を好き放題に改変して良いということではありません。

出所や引用について

筆者の個人的な価値観になりますが、パブリックドメインの作品を使用する際には、元の著作者に関する情報があり、表記可能な情報が揃っていれば、あれば出典や作者を明記した方が良いと考えています。

著作物の品質や保存状態について

パブリックドメインとなった著作物は、テキスト、画像、動画、音声のどれだとしても、品質の高い状態で保存されているとは限りません。

筆者の経験では、保管状況の悪いフィルム原板からパブリックドメインコンテンツをデジタルコンテンツにするために、多くのプロセスと費用をかけてリマスター化した経験があります。

また、このような手間をかけて高品質でデジタルリマスターとして作成したコンテンツを、著作物自体はパブリックドメインだからと勝手に利用すると、これもまた無用なトラブルになる可能性があるので注意が必要です。

これらは二次的著作物*3となるので、パブリックドメインの著作物やコンテンツを合わせて勝手に利用できるものではありません。

パブリックドメインに関する脚注や出典および参考情報の一覧

  1. 著作権者不明等の場合の裁定制度等|文化庁Webサイト ↩︎
  2. 著作権法|e-Gov法令検索 ↩︎
  3. 例えば、パブリックドメインの映画を新たに翻訳した、その翻訳は著作権のある著作物となります。 ↩︎
ABOUT US
ユニコブログの執筆者である小林玲王奈のアイコン
小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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