【保存版】ブログ運営で気をつけたい!著作権と注意点を徹底解説

ブログ運営で気をつける著作権について解説する

ブログ運営で気をつけたいのが、「著作権」の問題です。

ブログやWEBサイトのなかには、気がつかないうちに著作権を侵害しているケースが多く、作者と引用者の間で度々トラブルが起こっています。

ネットの画像や原稿の引用には「著作権を侵害しない」よう、細心の注意を払ってください。

本記事では、著作権侵害で「法的にアウト」にならないよう、著作権の考え方と著作物を扱う上で「注意したいポイント」をまとめてみました。

この記事の内容
  1. 著作権、著作権侵害とは何か?
  2. ブログやWEBサイトの引用ルール
  3. 著作権侵害の事例

目次

ブログ運営で気をつけたい著作権とは?

ブログ運営で気をつけたいのが「著作権」の問題です。

個人ブログを見ていると、著作権への知識不足からか、他人の著作物(イラスト、写真、文章など)を無断で転載しているサイトがあります。

こうした意識では、第三者の権利を侵害しているだけでなく「運営側の常識」が疑われますし、読み手からの信頼も失われてしまいます。

著作権侵害の例|SNSのタイムラインやフィードの画像利用等

著作権侵害の最も分かりやすい例は、SNSのタイムラインやフィードで流れる、テレビの画面や録画映像の2次利用、そして漫画などをスマホでスキャンして、それをSNSにアップするなど、情報発信をしていく中で気付かない間に著作権侵害になってしまっている例です。

また、著作権は親告罪*1であるイメージが強いのですが、著作者や著作物が保護している環境や状況よっては非親告罪として扱われる場合もあり、これは、音楽や動画、画像に限らず、テキストデータも同じ事が言えるので、注意が必要です。

著作権の事を知る

著作権を侵害することは、作者だけでなく、販売をする業界全体を衰退させます。

私たちも著作物が守られるよう「正しい方法」でダウンロードし、作者や販売をする業者の権利が守られるよう「正しく支援・保護する」意識が必要です。

著作権、著作権法とは

著作権(ちょさくけん)は知的所有権のひとつであり、著作者が自己の著作物を独占する権利のことです。

著作権とは?

「著作権」は、著作権法という法律で保護されています。文化的な創作物とは、文芸、学術、美術、音楽などのジャンルに入り、人間の思想、感情を創作的に表現したもののことで、著作物といいます。また、それを創作した人が著作者です。

出典元:著作権って何?(はじめての著作権講座 )|CRIC 公益社団法人著作権情報センターより一部抜粋

作品を創作した人を著作者(ちょさくしゃ)と言い、著作者が自らの考えや意見などを表したものを著作物(ちょさくぶつ)と言います。

以下、著作物の種類をまとめてみました。

著作物の種類

① 小説、脚本、論文、講演など
言葉によって表現された著作物
② 音楽
曲、効果音、サウンドロゴ、歌詞など
③ 舞踊または無言劇
日本舞踊、バレエ、ダンスの振り付けなど
④ 絵画、版画、彫刻、その他美術
形や色で表現される著作物、マンガ、書、舞台装置など
⑤ 建築
住居、建築芸術など
⑥ 地図または学術的な図面、図表、模型そのほかの図形
図形や図表によって表現された著作物、設計図や地球儀など
⑦ 写真
人や風景などを撮影した写真
⑧ 映画
劇場用映画、テレビ番組、ビデオソフト、ゲームソフト、個人が制作した動画(YouTube動画も含む)ほか
⑨ プログラム
コンピュータプログラム、ソフトウェアなど
⑩ 二次的著作物
①〜⑨までの著作物を翻訳、編曲、変形、翻案、映画化などし創作した二次的な著作物のこと
⑪ 編集著作物
百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集
⑫ データベースなど
ネット、コンピュータで検索できる著作物
⑬ その他
インターネットの発展により、新しい著作権の考え方が生まれています(例:X(旧Twitter)のツイートなど)

例えば、あなたがクリエイター(イラストレーター)だったとします。

あなたが長い時間をかけて作成したイラストが、ネット上で無断でコピーされ、第三者によってデータが拡散され、グッズなどに無断転用され販売されたとしたら…。

あなたには、本来得られるべき報酬や対価などは入ってきません。

また、誰が作者なのか分からない状態では(あなたが行った)これまでの苦労や努力は、水の泡となってしまいます。

著作権制度には、こうした作者の権利や利益が損なわれる事態を無くし、著作物が公正で円滑に利用されるよう法律(著作権法)が定められています。

著作権法

著作権法では,一定の「例外的」な場合に著作権等を制限して,著作権者等に許諾を得ることなく利用できることを定めています(第30条〜第47条の8)。

出典元:著作物が自由に使える場合(文化庁)より一部抜粋

著作権制度を守るのが「著作権法」と呼ばれる法律で、著作者の権利や利益が守られるよう定められているのです。

罰則の内容は後で解説しますが、著作権を侵害した場合には違法行為として罪に問われます。

ただし、以下の著作物には著作権がありません。

  1. 憲法そのほかの法令(地方公共団体の条例、規則も含む。)
  2. 国や地方公共団体又は独立行政法人の告示、訓令、通達など
  3. 裁判所の判決、決定、命令など
  4. ①から③の翻訳物や編集物で国や地方公共団体又は独立行政法人の作成するもの

なお「著作権法」の全文は、CRIC|公益社団法人著作権情報センターのページでも確認できます。

参考リンク:著作権法 全文(CRIC|公益社団法人著作権情報センター)

肖像権、肖像権侵害とは

X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなど、他人の撮影した写真や動画に、自分や家族の姿が映っていたら? 

もちろん「あなたがOK」したのであれば話は別ですが、無断で掲載された場合、嫌な思いをする方がほとんどでは無いでしょうか?

最近では、こうしたネット上の写真や画像、動画には(撮影された側の同意が無ければ)モザイクや目線を隠すなどの画像処理が施されます。

ただ、肖像権の認識が甘い個人においては、画像処理のないまま無断で写真や画像を掲載することも多く、肖像権やプライバシー権などの侵害が問題となっています。

肖像権と肖像権侵害

肖像権(しょうぞうけん)とは、個人の容姿やその画像などに帰属される人権のことです。

他人が無断で写真や映像を撮影し、無断で公表した場合には「肖像権の侵害」に問われます。

肖像権とは?

肖像権(しょうぞうけん)とは、肖像(容姿やその画像など)に帰属される人権のことである。大きく分けると人格権と財産権に分けられる。プライバシー権の一部として位置づけられるものであるが、マスメディアとの関係から肖像権に関する議論のみが独立して発展した経緯がある。

出典元:肖像権(Wikipedia)より一部抜粋

肖像権侵害については、一定の線引きがあります。肖像権の侵害を認定する基準は次の5つです。

肖像権の侵害・認定基準
  1. 自分や家族の顔が特定できる
  2. 自分や家族がメインとして撮影されている
  3. 拡散性の高い場所で公開されている
  4. 撮影や公開の許諾がないまま、無断で掲載された
  5. 撮影場所が特定される画像、写真である

人気者への嫉妬なのか、人気ブロガーが整形前に撮影した写真を第三者(他のブロガー)が無断で公開したことで「炎上」した事件がありました。

こうした、他人のプライバシー権や人格権の侵害を行うのは、精神的苦痛を与える行為であり罪に問われます。

下の情報はプライバシー情報に該当します。

  1. 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれがある
  2. 一般人が公開を欲しない
  3. 一般の人々にまだ知られていない

プライバシー権が侵害された場合には、損害賠償請求や差し止め請求が法的措置が行えます。

ここまで「ひどい例」ではなくとも、肖像権について「グレーな行為」はあちこちに存在します。

例えば、パーティー会場などで無断で第三者を撮影、本人の許可無くX(旧Twitter)やInstagramなどに写真を投稿する人がいます。

肖像権の侵害と認定基準

あなたが普段行っている、何気ない行為が他人に迷惑を掛けたり、肖像権を侵害している可能性はありませんか?

ネット上で他人に迷惑を掛けていないかどうか。著作権法や肖像権侵害の条件を照らし合わせながら、自分の行動を今一度振り返ってみましょう。

参考リンク:情報発信における問題(プライバシーの侵害・著作権の侵害)|ネットリテラシー検定機構

著作権を侵害すると?

著作権侵害は犯罪であり、権利侵害の事実については、次のような請求が行われます。

  1. 侵害行為の差止請求
  2. 損害賠償の請求
  3. 不当利得の返還請求
  4. 名誉回復などの措置の請求

そして、著作権侵害の罰則は次のように定められています。

著作権侵害の罰則

著作権・出版権・著作隣接権の侵害
10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金
著作者人格権・実演家人格権の侵害
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金
著作権・出版権・著作権隣接権の侵害物品の頒布目的の輸入行為
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金
プログラムの違法複製物を電子計算機において使用する行為
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金
営利目的による自動複製機器の供与
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金
死後の著作者・実演家人格権侵害
500万円以下の罰金
技術的保護手段回避装置・プログラムの供与
3年以下の懲役、または300万円以下の罰金
営利目的による権利管理情報の改変等
3年以下の懲役、または300万円以下の罰金
営利目的による還流防止対象レコードの頒布目的の輸入等
3年以下の懲役、または300万円以下の罰金
著作者名詐称複製物の頒布
1年以下の懲役、または100万円以下の罰金
外国原盤商業用レコードの違法複製等
1年以下の懲役、または100万円以下の罰金
出所明示義務違反
50万円以下の罰金
秘密保持命令違反
5年以下の懲役、または500万円以下の罰金
第119条第1項若しくは第119条第2項第3号,4号【新設】又は第122条の2第1項の罪
3億円以下
上記以外(人格権侵害罪も含む)
各本条の例
参考資料:刑罰規定全体の改正内容(文化庁)

表中の赤字示したのは、ネット(ブログ、WEB運営など)との関わりが大きな部分です。

著作権侵害について、「罪の重さ」を知ることは重要なことです。

ブログやWEBで著作権を侵害しないよう「第三者の著作物」は慎重に取り扱ってください。

ブログで著作権を侵害しない方法

著作権を侵害しないために「押さえておきたい3つのポイント」があります。

ブログで著作権を侵害しない方法
  1. 画像の著作権
  2. 動画埋め込みの著作権
  3. 記事引用

それぞれの内容について、順に解説しましょう。

画像の著作権

ネット上の画像や写真は、著作者の著作物であり、著作権法によって保護されます。

このため、写真やイラストなど他人の著作物を無断で転載をしたり、ネット上で公開をするのは違法行為に問われます。

画像の著作権について解説

ただし、ネット上で公開された画像を私的に利用するのであれば、罪に問われません。

例えば、著作物を個人や自宅など、限られた範囲内で楽しむのに、権利者の許諾は必要無く(個人の範囲であれば)自由に著作物が使用できます。

参考資料:著作権法30条(1項)

ただし、違法にアップロードされた画像などを「違法と認識」した上でダウンロードする行為は違法行為であり罪に問われます。

ただし、現行の著作権法では違法とはならず(2020年8月時点でも)、今後の法整備について活発な議論がなされています。

動画埋め込みの著作権

YouTubeには埋め込み機能があり、ブログやWEBサイトなどに、お気に入りの動画が掲載できます。

参考リンク:動画と再生リストを埋め込む – YouTube ヘルプ

ブログやWEBサイトに、動画を転載する方は多いでしょう。

YouTubeのルールに従ってお気に入りの動画を紹介しましょう。

ただし、他人の著作物を違法にアップロードした動画については、埋め込みが禁じられています。

後で解説をする「X(旧Twitter)のリツイート」と同じく、著作権侵害の共犯者とみなされるので(動画の選定には)注意を払ってください。

埋め込み動画の著作権について

動画埋め込みにおいて「著作権の問題」になりやすいのが、テレビや映画、アニメなどの違法アップロード動画、音楽、ダンスなどの作品です。

本記事の冒頭で、著作物の種類を紹介しましたが、動画においても著作権を侵害しないよう注意してください。

なお、動画埋め込みの著作権は、YouTube公式サイトでも詳しく解説しています。

参考リンク:利用規約(YouTube)

記事引用

この記事でも、新聞やネットのニュース、法律などの一部を「引用」として載せていますが、引用をする場合、他人の著作物を引用する「必然性」がなければ、正式な引用とは認められません。

例えば、他人の著作物の寄せ集めでできた記事は、著作物として認められず、改変者に著作権はありません。

記事引用には、大きく分けて「5つのルール」が存在します。

記事引用のルール
  1. 主従関係が明確であること
  2. 引用部分が他とはっきりと区別されていること
  3. 引用をする必要性があること
  4. 出典元が明記されていること
  5. 改変しないこと

それぞれの内容について、順に解説しましょう。

① 主従関係が明確であること

記事引用1つ目のルールは、「主従関係が明確であること」です。オリジナル部分が少なく、引用文がメインになるようなコンテンツでは、主従関係が明確とは言えません。

記事引用のルール

例えば、まとめサイトなどの場合、オリジナル部分がほとんどなく、他人の著作物がメインになっているケースも多いのです。

このようなコピーコンテンツでは、主従関係が明確ではありません。

引用として認められるには、オリジナルの割合が9割、引用部分は最大でも1割程度に留めておきましょう。

② 引用部分が他とはっきりと区別されていること

記事引用2つ目のルールは、「引用部分が他とはっきりと区別されていること」です。

どこまでがオリジナルで、どこからが引用なのか分からないようでは、他人の著作物を「丸パクリしている」ことになります。

この記事でも、引用部分には、ダブルクォーテーション“”を使用したり、斜体や文字の色を変える、背景色を変えるなど「引用文だと分かるよう」工夫しています。

なお、ブログツールやWordPressのテーマには、自動で「引用文」機能が付く機能もあります。引用をする時に使ってみてください。

③ 引用をする必要性があること

記事引用3つ目のルールは、「引用をする必要性があること」です。

例えば、この記事内であれば「著作権判例」について、関連するニュースの一部を引用して紹介しています。

引用の必要性について

これは、「必要性」があるため引用をしており、著作権について解説をするのに役立つと判断したからです。

引用の必要が無いにも関わらず、他人の著作物を掲載(転載)するのはルール違反です。

引用をする場合は「必然性」について考え、必要な情報だけを(最小限にまとめ)載せてください。

④ 出典元が明記されていること

記事引用4つ目のルールは、「出典元が明記されていること」です。誰の著作なのか、いつどこで発表された著作物なのか。必ず、情報源(ソース)を明確にしてください。

なお、ネット上のニュースや資料を引用した場合は、著作者だけでなくURLもあわせて記載しましょう(※ 引用のルール、出典元のルールは本記事の引用文が参考になります)。

⑤ 改変しないこと

記事引用5つ目のルールは、「改変しないこと」です。

引用をする場合には、加筆や省略などを行わずそのまま引用してください。

他人の著作物を途中で改変したり、原文の意味が変わるような書き換えでは、著作権侵害にあたります。

引用は改変してはいけない

また、文字数などの都合で、一部省略する場合は原文の意味が変わらないよう、細心の注意を払って引用してください。

なお、引用文には「blockquoteタグ」を使用します。

blockquoteタグは、自分のページのどこからどこまでが引用なのか、読者や検索エンジンが識別できるよう設定するHTMLタグのことです。

blockquoteタグは、以下の様な形で使用します。

<blockquote>

  <p>引用部分</p>

</blockquote>

これらは、引用・転載文であることを示すのに必要なタグです。

タグを使用しないと、検索エンジンからコピーコンテンツと見なされ、最悪の場合ペナルティを受けるなど検索結果に悪影響を及ぼします。

第三者の著作物を引用、転載する場合には、必ず「blockquoteタグ」を使用しましょう。

ブログに本の内容分を引用するときも条件は同じ

上記では、主にブログ記事に、他のブログサイトやWebサイトで公表されている著作物の引用をメインに記載しましたが、本や書籍などの場合も同様です。

また、書籍から引用をする場合、出所の明示はURLが出来なくても必ず行い、最低でも書籍のWebページがあればそれをリンクして、コンテンツの内容にもよりますが、出来れば前後のコンテキストや関連性によっては、引用部分に合わせて、著者のWebサイト、または出版社のWebサイトURLでリンクしておく事も重要です。

著作権侵害の事例と判例

本項では最新の事例から、著作権侵害の事例を2つ紹介しましょう。

判例 歌詞の著作は誰のもの?

Genius(ジーニアス)は、ポップミュージック、ラップミュージックなどの歌詞をオンラインで提供する海外の人気サイトです。

参考リンク:Genius(公式サイト)

日本での知名度はまだ低いのですが、曲を聴きながら歌詞がチェックできるとあって、海外には多くのGeniusユーザーが存在します。

そんなGeniusですが、2020年8月「Googleとの裁判で敗訴」とのニュースが大々的に報じられました。

Geniusが歌詞の不正利用疑惑を巡るGoogleとの裁判に敗訴

ニューヨーク州東部連邦裁判所のMargo K. Brodie判事は「Geniusは歌詞の著作権を所有しておらず、オリジナルの著作権所有者のみが二次的著作物を認可する排他的な権利を持っていることが判例で明らかになっている」としてGenius側の訴訟を棄却。

出典元:fnmnl|2020年8月12日掲載記事より一部抜粋

事の発端は2019年のこと。

Geniusが提供する歌詞(電子透かしが入っているのでGeniusのものだとすぐに分かる)が、Googleやカナダの歌詞検索サービスにおいて不正に使用されている(©Geniusの表示がなかった)とGenius側が主張。

著作権侵害の事例

その後、裁判で著作権侵害について争われていましたが、裁判では「歌詞のもともとの著作者はアーティスト側であり、Geniusではない」ことから、Genius側の訴訟が棄却されてしまいました。

判例② 昔納品した作品が、無断転用されて提訴

山形県酒田市に住むデザイナーは、2002年〜2006年にかけて作成したイラストをJA庄内みどり(酒田市)に納品していました。

著作権は作者自身にあり、イラストの使用はWEBサイトやJA庄内みどりの一部に限定することで契約を締結。

しかし、JA庄内みどり側がイラストの一部を作者に無断で改変、オリジナルグッズなどが無許可で作られたほか、著作権侵害にあたる行為が少なくとも16件確認され、デザイナーはJA庄内みどりは提訴されました。

イラスト「無断使用」で提訴 酒田のデザイナー、JA庄内みどり相手に

JA庄内みどり(酒田市)の広報誌や商品広告でキャラクターのイラストを無断で使用されるなど、著作権を侵害されたとして、酒田市のデザイナーの男性がイラストの使用差し止めと200万円の損害賠償を求め地裁鶴岡支部に提訴したことが5日、分かった。提訴は4月28日付。

出典元:山形新聞|2020年08月06日掲載記事より一部抜粋

イラスト、デザインを納品した後、受けとる側(クライアント)が「著作権は譲渡された」と勝手に判断するケースは多いようです。

デザインに限らず、すべての著作は「著作権が誰にあるのか」明らかにした上で、契約を結びましょう。

なお、本項で紹介した以外にも「著作権判例」は、以下のサイトにて検索できます。

どのような裁判が行われ、どのような判決が出ているのか確認してみてください。

参考リンク:特定判例検索(著作権判例データベース)

ブログ記事で安心して使えるおすすめ素材

ブログ記事で使用する写真やイラスト、動画などは、ロイヤリティーフリー素材や、商用利用可能な素材などを使うと安心です。

ロイヤリティーフリー素材とは?

フリー素材とは、基本的に「無料」で提供される素材のこと。一方のロイヤリティーフリー素材は、使用許諾の範囲内であれば自由に使用可能な素材を意味します。

出典元:ブログに使える画像素材サイト10選!各サービスの料金と特徴を徹底比較(ユニコブログ)より一部抜粋

本稿では、ブログ記事で安心して使える、おすすめ素材(画像、動画、音楽)サイトを集めてみました。

ブログで安心して使えるおすすめ素材

PIXTA 写真、イラスト、動画
約5,390万点の写真、イラスト、動画、音楽素材がダウンロードできる(無料素材もあり)。
写真AC 写真
1日9点までダウンロード無料。高品質な写真素材がすべて無料、加工や商用もOK
ShutterStock 写真
世界トップクラスのロイヤリティフリー画像、写真、動画素材配信サイト。
Pixabay 写真、動画
約1,800万点の高品質な写真、動画素材(著作権フリー)がすべて無料でダウンロードできる。
ぱくたそ 写真
背景、人物、動物などのハイクオリティ画像(商用可)がすべて無料でダウンロードできる。
NHKクリエイティブライブラリー 動画
NHKが管理する約7,000本ものアーカイブ素材が無料でダウンロードできる。
Pexels 動画
才能あるクリエイターが提供するハイクオリティ画像、写真、動画素材がすべて無料。
Mixkit 動画、音楽
高品質な動画、音楽素材が無料でダウンロードできる海外のサイト。
DOVA-SYNDROME 音楽、効果音
10,797曲の音楽素材がすべて無料でダウンロードできる(商用可)。
MusMus 音楽、効果音
登録不要、無料で使用目的自由の音楽素材がダウンロードOK(商用可)。
HURT RECORD 音楽、効果音
商用OK&著作権フリー、無料でBGMを提供するサイト。

このようにネット上には、ブログやWEBサイトに使える素材が豊富にあります。

著作権を侵害しないよう、各サイトの使用許諾範囲で便利な素材を活用しましょう。

なお、以下の記事では、ブログで使える便利な「画像素材」について詳しく紹介しています。

関連記事:画像素材サイト10選!各サービスの料金と特徴を徹底比較

著作権で良くある質問

最後に、著作権について「良くある質問」を集めてみました。

質問① 著作権にはどのような種類がありますか?

著作権の種類

本記事の前半でも紹介した通り、言語の著作物、音楽の著作物、舞踊、無言劇の著作物、美術の著作物、建築の著作物、地図、図形の著作物、映画の著作物、写真の著作物、プログラムの著作物等があります。

このほか、二次的著作物、編集著作物、データベースの著作物など、著作者の著作権が保護されます。

質問② 書籍に使われている図表は引用できますか?

引用のルールを守り(本記事の「記事引用」解説を参照)正当な範囲であれば、図表の引用が認められています。

この場合、引用の範囲は必要最小限にし、引用の部分が明確に分かるよう出典元を明らかにしましょう。

なお、出典の範囲が大きくなる場合(上の範囲を超える)には必ず、著作者に連絡を取って「了解」を得た上で引用をしてください。

質問③ ネット上で見つけた写真やイラストは転載できますか?

引用の範囲が必要最小限であり、必然性のある引用(公正な慣行に合致、目的上正当な範囲内)であれば転載できます。

主従関係、引用部分を明確にするほか、必ず著作者や作品名などソース(出典元)を明らかにした上で引用してください。

質問④ 日本と海外で著作権の定義は変わりますか?

著作権に国境はありません。日本をはじめ、海外でも著作権条約(以下参照)によって著作物は保護されています。

  1. ベルヌ条約
  2. 万国著作権条約
  3. 実演家等保護条約
  4. レコード保護条約
  5. TRIPS協定
  6. WIPO著作権条約
  7. WIPO実演・レコード条約

外国の著作物、国内外の著作権情報については、公益社団法人著作権情報センター(CRIC)にて詳しく解説しています。

参考リンク:外国の著作物の保護は?(公益社団法人著作権情報センター・CRIC)

質問⑤ ©とは何ですか?

©は、Copyright(コピーライト)の記号であり、著作権と同義として扱われます。

関連記事:登録商標マークやトレードマークと著作権マーク等の特殊文字を表示する方法【HTMLメモ】

イラストや著作物、ホームページなどに【Copyright © 2020 ○○○○Inc. All Rights Reserved.】といった表記を見かけますが、これは誰に著作権があるのかを示しており、前項の質問にもあった「万国著作権条約」において必要な表記方法です。

参考リンク:万国著作権条約パリ改正条約(公益社団法人著作権情報センター・CRIC)

著作権に関するよくある質問

質問⑥ X(旧Twitter)のツイートは、著作物として保護されますか?

X(旧Twitter)の著作権については、Twitter社がガイドラインを定めています。

著作権侵害のないよう、ガイドラインに沿って正しくX(旧Twitter)を使用してください。

参考リンク:著作権に関するポリシー(X(旧Twitter)公式サイト

質問⑦ 海外のニュースを自分で翻訳して掲載した場合、著作権はどうなりますか?

海外のニュースを無断で翻訳するのはNGです。著作権のなかには翻訳権も含まれており、海外のニュースや情報を無断で翻訳するのは、著作権侵害にあたります。

参考リンク:海外サイトの無断翻訳時に想定されるトラブル(翻訳会社JOHO)

質問⑧ 法人著作とは何ですか?

会社などの従業員が職務上作成した著作物は、法人名義の著作となることを法人著作(ほうじんちょさく)といいます。

従業員が作成した文芸・音楽・映像・ソフトウェアは、創作した個人本人ではなく雇用主や業務委託者が権利を有することになります。

質問⑨ Amazonアソシエイトの写真は著作権侵害になりますか?

Amazonアソシエイトとは、Amazonで販売している商品の写真やリンクを紹介し、リンク経由で売り上げがあると紹介者に一定の報酬が支払われる仕組み(アフィリエイトプログラムの一種)です。

Amazonアソシエイトの写真は、画像ファイルへのリンクであり著作権侵害にはなりませんが、Amazonアソシエイトの写真だけを自らのサーバーにアップし使用する場合や、Amazonの規約に反した利用については著作権侵害にあたる可能性があります。

Amazonアソシエイトの利用規約は、Amazon公式サイトで確認してください。

参考リンク:Amazonアソシエイト・プログラム運営規約

質問⑩ 海外の著作物を引用する場合、どのように連絡すれば良いですか?

海外の著作物を複写利用する場合には、以下の団体にて許諾申請が行えます。

  1. 一般社団法人学術著作権協会(学著協)
  2. 一般社団法人出版者著作権管理機構(JCOPY)
海外の著作物を利用する場合

質問⑩ 著作権の原則的保護期間とは何ですか?

著作権の原則的保護期間とは、死後70年を経過した著作物は「著作権の保護期間」が切れて著作権が消滅します。

ただし、国によって著作権の原則的保護期間は異なります。海外の著作権保護期間は、以下のページにて確認してください。

参考リンク:世界各国の著作権保護期間の一覧 (Wikipedia)

なお、著作権保護の延長については、文化庁の解説が参考になります。

参考リンク:著作物等の保護期間の延長に関するQ&A(文化庁)

質問⑪ 引用はSEOに影響しますか?

Googleはコピーコンテンツにペナルティを与えますが、引用で使用する「blockquoteタグ」部分は、きちんと「引用コンテンツ」だと認識し、コピーコンテンツとはみなしません。

「blockquoteタグ」で引用をしてもSEOでどのようにプラスに働かわからない部分がありますが、読者が役立つ情報を提供するのであれば検索流入率がアップし、相乗的に「SEOに効果が出る」可能性があります。

質問⑫ ブログやWebサイトのリンクを貼るのに許可は必要でしょうか?

結論からいうとリンクを貼るのに、基本的に許可はいりません。

ただ、リンクされるWebサイトの利用規約などに、「リンクを貼るなら連絡がほしい」などの文言が記載されている場合があります。

また、事実無根のコンテンツを書いて、リンク先に損害が起きる様な形でリンクしたり、誹謗中傷対象としてリンクを貼るなどの行為をすると、これはリンクとは別の問題の問題も絡んでくるので注意が必要です。

また、別途、問い合わせ窓口から

「リンクを貼っていただけるのでしたら、h**ps://******.com」にしていただけると嬉しいです。」

等の連絡をいただくこともあるので、その場合はなるべく早く対応しましょう。

著作権お役立ちリンク集

著作権を理解するのに、役立つリンク(サイト、ブログ)を集めてみました。

著作権を理解するのに、役立つリンク集

みんなのための著作権教室(公益社団法人著作権情報センター)
公益社団法人著作権情報センターが子ども向けに作成した、「著作権の基礎知識」サイトです。
公益社団法人著作権情報センター(公式サイト)
公益社団法人著作権情報センターが提供する、著作権の情報サイトです。
著作権(文化庁)
文化庁が著作権の考え方、ルール、著作権保護について解説したサイトです。
著作権の概要 JASRAC
音楽と著作権について、JASRACが解説したページです。
著作権とは – 日本弁理士会
日本弁理士会が、法律と著作権について分かりやすくまとめています。
著作権の基礎-知的財産権の基礎講座 – 知的財産用語辞典
著作権、知的財産について、よく使われる用語をまとめたサイトです。
著作権の基礎知識(ACCS|一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)
コンピュータ、ソフトウェア、IT業界と著作権について解説したサイトです。
著作権法 – e-Gov法令検索
著作権法の全文が読めます。
著作権侵害に注意(総務省)
著作権侵害について、総務省が情報を分かりやすくまとめています。

インターネットの普及により「著作権のルール」にも変化や新しい法整備が求められています。

細心の事例や著作権侵害関連の判例は、ニュースなどでこまめにチェックしてください。

まとめ| ブログで著作権を侵害しないように注意しよう!

残念ながら、自分の権利には敏感になれても、他人の著作権については「ルール違反」をする人が後を絶ちません。

実際に個人のWEBサイトやブログだけでなく、中小企業のWEBサイト、ブログメディアにも「著作権を侵害している」サイトが多く存在します。

転載、引用をする場合には、引用のルールを守り、必ず出典元(ソース)を明らかにしましょう。

また、著作権侵害の事例などを参考に、ブログ、WEBコンテンツ、SNSの利用や引用にも細心の注意を払ってください。

関連記事:プライバシーポリシーと免責事項、利用規約の書き方を徹底解説【ブログ向け】

最後まで読んでいただきありがとうございました。

著作権の注意点に関する脚注

  1. 著作権法における親告罪の在り方について|文部科学省 ↩︎
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小林 玲王奈ユニコーンコンサルティング株式会社 代表取締役

放送業界や映画業界で映像制作や新規事業の立ち上げを中心に16年間働いて2019年に独立。2020年1月にユニコーンコンサルティング株式会社を設立しました。現在は、国内・海外向けのWebメディアを複数サイト運営しながら、経営コンサルタントとして数社の技術顧問、及び複数の教育機関で特別講義をおこなったり、Web講演をしています。|BBT経営塾(旧:大前経営塾)第10期生 卒塾

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