毎年の予算で営業担当ごとに営業目標を立てて年間予算を作成する会社もあると思います。
大半の場合、設定した売り上げ目標の根拠を明確に示すことができずに、最終的には、単純に予算の何%上乗せ設定して決定するみたい慣習で決まったりしています。
しかし、筆者がお手伝いしてきた会社で、長期的に継続して成長してきた会社に個別の営業目標はありません。
特に十把一絡げに設定する個別の営業目標は、個々の強みを活かしたチームワークを妨げる原因にもなるので、むしろ個別の営業目標設定はしないようにしましょう。
経営指標は共有する
営業目標は必要ないのですが、全体で目指したいゴールと主要な経営指標は共有します。
よく小規模(~50名未満規模の企業)の会社であるのが、主要な経営指標を公開しないで売上と粗利だけを集計して営業報告の基準として資料を作成している場合です。
ひとり一人が経営者としての意識を持って動いて欲しい経営者の気持ちは分かります。
しかし、会社の経営指標を公開されず、会社が本当にどれだけの業績か見えない状態で売上を上げていくには、モチベーションを維持していくのはとても難しいことです。
また、財務三表は調べれば閲覧することが可能です。
株式会社の場合は、決算公告義務があります。
中小企業の場合、貸借対照表の要旨のみである場合が多いですが…。
年間の営業予算を算出する場合には、全体でどれくらいの予算が必要なのか、全体が腹落ちするためには数字をオープンにしていきましょう。
営業目標は全体予算だけ決める
年間の営業予算を個別に設定する方法ではなく、全体予算を決めるだけにし、全体予算の推移を注視して把握していく方針に変えていきましょう。
押し売りがなくなる
個別の営業予算設定をなくすことで、顧客に対する無理な押し売りがなくなります。
顧客は余計な買い物を押しつけられたら必ず気づきます。
個々の営業予算のために顧客と交渉をすると、その結果として大幅な値引き交渉や、余計な接待経費などを生み出す原因となり、売上を上げていくために本当に必要な施策がどんどん見えなくなっていきます。
心理的安全性を確保できる
仮に、せっかく会社全体の数字が良い状態であっても、個々の営業目標を設定していると達成している人と達成していない人が出てきてしまいます。
本来は会社の業績が良ければ皆で喜ぶべきところを、営業目標が足りない営業担当はその改善を強く要求されることが多くなります。
この時、組織全体でサポートできる体制ができていれば良いのですが、個人の責任として1人の解決に任せるパターンの場合はとても辛いシナリオが待っています。
せっかく縁があっての繋がりを大切にでいるように、個々の予算ではなく、事業ごとベースくらいの予算にして、チームで達成できる仕組みを作っていきましょう。
営業目標がなくても業績は下がらない
営業目標がないと業績が下がるという話が多いのですが、果たしてそうでしょうか。
自分が勤める会社を営業目標がなくなったからといって、急にサボるようなことをする人たちを雇用しているのでしょうか。
営業目標を定めないで全体予算に対して目指していく体制を構築すると下記の効果があります。
- チームワークで支え合って販売フォローをするようになり人間関係も良くなる
- 情報共有が盛んになり、商品やサービスの強みや弱みを把握して議論が進むようになる
- 個々の営業成績に対する管理コストが少なくなり、プレイングマネジャーの負担を軽減できる
大きく分けると上記の3つについて大きな効果が出てきます。
この結果、営業成績が上がらない→営業成績を上げるために管理を強める→営業担当が心身共に疲れる→営業成績が上がらない。という悪循環から脱することが可能になってきます。
チームワークで営業ができるようになり、管理コストが減って管理職が全体を俯瞰してマネジメントする余裕ができれば、必然的に業績は上がってきます。
活発に新商品やサービス、新規事業に対する姿勢も出てくるようになります。
人は徹底的に管理されるより、信頼されたほうがはるかにやる気がでます。
営業は個の力よりも集の力でやっていくほうが良い
技術開発やアプリなどのプログラミングだと、ある一人の力がもの凄い人気の製品やアプリを生み出すことがありますが、営業の場合はひとり一人の力がチームワークで動けたときに大きく成長します。
営業成績TOP!!みたいな体験は薄くなりますが、自分1人だけが好業績を生み出すより、全体で事業としてプラスになっていく方が、会社にとって好循環に繋がっていきます。
20年くらい前までは、「いいからとにかく訪問してこい!!」と、ひとり一人に指示していけば業績が上がった時代もありました。
現在、顧客は自ら情報を得て商品やサービスの検討をするので、以前よりも簡単に何かを販売することは難しくなっています。
業績が中々上がらない場合は、古い考え方をなくして新しいやり方で運用をしてみるのも大切なことです。
個々の営業管理みたいなやり方からは抜けて、チーム、組織全体で協力して事業を運営していけるようにしましょう。
営業担当がブログを運営するのも有り
現在、自分でWebメディアを持っている営業担当がいる会社の営業力は力強い成長をみせています。
● 営業職でトップ成績の仕事をするならブログを書いた方が良いわけをわかりやすく解説
会社側としても、ひとり一人の営業担当を尊重して、各営業担当も自分のメディアでその時に参加している会社への集客活動を行うサポートをする。
そんな会社と従業員の関係性も、今後更に増えていくでしょう。
● 営業がブログを運営すると得する3つのメリットを分かりやすく解説
もし、この記事を読んでいる方が経営者なら、Webメディアを作る従業員のために学びのサポートをするべきでしょう。
もし、あなたの営業担当が開設したブログの人気が出てくれば、びっくりするくらいの集客ができるようになります。
営業の目標設定と自分の年収を比較するのも良いかと
営業目標を達成するためのステップを冷静に考えていくと、明らかに割に合わない予算を持たされる事ってありますよね。
そこでミイダスというアプリを使うと、自分の市場価値を把握することが可能になります。
もしかしたら、もっとチキンと仕組み化された企業と出会う事ができるかもしれないので是非、試してみてください。